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竹原市(広島県)映画ゆかりの地&ロケ地めぐり+αの旅 その1

いつもご覧いただきありがとうございます。
行楽シーズン、どこかお出かけなさいましたか?

私は先週、竹原(広島県)へ。
竹原は小京都と呼ばれる古い町並みが魅力なんですが、いろんな映画のロケ地になっていて、映画人に愛される町でもあります。
今回も映画ゆかりの地+αということで3回に分けてご紹介します!
まずは、「街」編。

 

広島市内から高速バスに揺られること約1時間30分で到着。
広島空港からだとタクシーで25分という近さ!
新幹線だと三原駅からJR呉線で約40分です。

江戸時代前期に塩や酒づくりで栄えた豪商のお屋敷や由緒あるお寺が集まっている竹原。
街並み保存地区にはこんな石畳の美しい町並みが続きます。
「竹原」だけに竹の工芸品が有名。
まちなみ竹工房では「竹細工体験」で簡単な竹工芸品が作れますよ(所要時間40分~1時間)。

 


バスを「道の駅たけはら」で降りると、まず、『るろうに剣心 最終章 the Final』(2021年)のポスターが。

 


ここ竹原の街並み保存地区で撮影されたんです。
竹原市様という佐藤健さん、新田真剣佑さん、江口洋介さんのサインが!
撮影前にはたしかエキストラ募集とかもしてたんですよね…。(私は不参加)
るろうに剣心は1しか見ていなくて…。ぜひこの最終章も見てみたいと思ってます。

 

 


はい、猫、大好きです。
旅の最初から猫に会うのは縁起がよいかも。
この子は子猫ちゃんで、人間よりも虫の方が興味があるらしく、振り向いてもらえませんでした(泣)。

 


それではお屋敷めぐりのスタート。
4か所のお屋敷が見学できる「たけはら町並み保存地区周遊券」を買うと、1,200円のところが900円になってお得ということで、さっそく購入して周ることに。

まずは、「旧笠井邸」へ。
塩田の浜主の家として明治5年に建てられました。
玄関に入ると、奥のお庭が見えて気持ちよいです。

 


窓の細やかな組子が美しいのと、季節の花が飾られた竹工芸の花器も素敵ですよね。

 


奥の部屋には紡ぎ車や機織り機も。今も使えそうな雰囲気。

 


2階へ上がると、竹原の街並みが見渡せます。

 

青い空に白い壁。
気持ちいい!


ずっと奥まで石畳が続いてます。


2階の立派な梁(はり)には建設する際の指示的な文字が。
昔の人ってほんと字が達筆ですよねぇ。
私は自分が書いた字が年々下手になって読解できなくなっています(苦笑)。

 


竹原はアニメ『たまゆら』の舞台になっていて、聖地巡礼で来ているらしき方々もちらほら。
このアニメ、竹原のお店1件1件までアニメの中に登場するくらい竹原推しの作品らしいんですけど、未見です。
このアニメを見たらさらに竹原が楽しくなること間違いなしでしょうね。


次にやってきたのが「地蔵堂」。
山手にある西方寺に属すそう。
塩田業が盛んだった頃、上市・下市と呼ばれていた地区の守り神として祭られていましたが1602年に火災で焼失。現在のお堂は昭和2年建てられたものです。

 

昭和2年建設でも95年前だから古いっていえば古いですけどね。


このお地蔵さんの顔がねー、いいんですよ。
素朴なんだけど、味がある。
このお地蔵さんになら、毎日会いに行きたいです。


街並みが明治や大正の雰囲気なので、こういう看板が新しく見えるんですが、これはこれでレトロでいい雰囲気。
右下に自転車の方が写っていますが、自転車で観光している方も多いです。
というのも、愛媛県広島県の海峡を渡る瀬戸内しまなみ海道にある「サイクリングロード」から近いというのがありまして。
本格的なロードバイク&ファッションの方が古い町並みとマッチしています。


少し歩くと、国登録有形文化財「旧日の丸写真館」が見えてきます。
竹原在住の大工、吉名市次郎によって昭和7年頃に建てられた写真館。
窓等の開口部の配置は建築当初の状態をよく保ち、昭和初期の建築技術の高さを伝えています。


今も経営しているのかどうか分からないんですが、1階のショーウインドウにはレトロなカメラとレトロな人形が。
古くからやっているお店のショーウインドウって、え?っていうようなお店の商売とは全然関係ないものが飾られている確率って割と多いと思うんですが、あれを眺めるの、好きなんですよねぇ。
昭和レトロというか、カオスになっているお店、多いですよねぇ。


その向かいには青い犬?の巨大オブジェが。
若いアーティストさんが作ったようなんですけどね。
古い街に新しいアートが共存しているのも面白いです。

次にその近くのお屋敷「旧森川家住宅」を見学。

 

竹原塩田の1番浜跡地に建てられ、大正5年頃移築された豪邸。
主屋の他に離れ座敷・茶室・土蔵などがあり、茶室は小堀遠州流の茶人、不二庵(ふじあん)が設計したそう。
竹原市重要文化財です。


映画『ジャズ大名』のどんちゃん騒ぎをしている大部屋のシーンとか、『西鶴一代女』の次々襖を開けながら言い寄る武士のシーンとかを思い出させてくれるくらい広ーい!襖を開けても開けても次々に部屋が!っていうのをやってみたいです。

お庭が美しい。
お庭の設計士って、針葉樹と落葉樹の配置や、季節や時間差で起こる紅葉や落葉の色あいとかを見ながら配置していくんでしょうね。絶妙なお仕事です。
お茶会もたびたび開かれているので、その時にまた来たいなぁ。

置いてある家具も素敵で、机の彫刻とか、角には皮をカービングで模様を付けたものが施してあって個性的です。

所々に、庭に咲いているのを積んできましたという感じのお花が生けてあるんですが、それも素敵なんですよね。

昔ながらのかまども。
これでご飯を炊くと美味しいに違いない。

 

町並み保存地区の中にある代表的な商家の建物「旧松阪家住宅」。
江戸時代末期、文政の頃に建てられ、明治12年に改築。家主は製塩業や醸造業をしていたようです。
屋根の黄色がアクセントになっています。

 

昔のままの書。

当時の戸袋の絵もガラスケースに入っているのを見ることができます。
なんと江戸時代初期の狩野派の絵師、狩野探幽の作とのこと。
上手いはずです!


この屋敷を会場として、まちなかアート展 超絶技巧作品展示「脅威のリアリズム」展が開催中(2022年12月13日(火)まで/水曜日休)。
立体から平面まで本物?と見間違うぐらいリアルな作品が並べてあります。

この女子高生、すんごいリアルですよねー。

この立体作品も、怖いぐらい人間そのもので今にも動き出しそう。
広島市立大学ゆかりのアーティスト6人を含めた13人を展示。
広島市立大学芸術学部には教授の専門として細密画の流れがあって、卒業生にはこういう超絶技巧の作家さんが結構いらっしゃいます。
屋敷で超絶技巧を楽しむ。なんとも代えがたいひと時です。

 

この建物も何の建物か分からないんですが古そう。

 


河岸を散歩すると、源平2氏から徳川氏までの武家盛衰史を書いて日本史上のベストセラーとなった『日本外史』の著者、頼 山陽(らい・さんよう)先生の銅像が。
頼 山陽は大坂生れの江戸時代後期の歴史家・思想家・漢詩人・文人
山陽生誕200周年を記念し1980年に建てられました。
竹原には祖父の頼惟清が紺屋を営んでいた家があり、父の頼春水が幼少期に暮らしており、頼山陽も何度か訪れ詩を残しています。


その下には、かわいらしいたけのこをかたどったポールが。
あなたは「たけのこの里」派ですか?
私は「きのこの山」派です(笑)。


そして「観光地の顔入れ写真看板ではもれなく顔を入れて写真を撮る」派です。
(妻の梨影になっていますが、同系色でカバー 笑)



街並み保存地区の中心に戻り、先日見た大林宣彦監督映画『時をかける少女』(1983年)のロケ地へ。
醤油屋の息子役の尾美としのりさんの役名は、小説版では浅倉吾朗ですが、映画ではロケ地にあるこの醤油屋さんの看板をそのまま使いたいということで、役名を堀川吾朗にチェンジ。
お醤油の樽を混ぜたり、洗ったりするシーンはこのお醤油屋さんだったんですね。


映画の中に出てくる看板が!
「堀川醤油」は大正8年の創業以来、90年以上変わらぬ味を守り続けたこだわりの醤油。塩辛さに角が無くほんのり甘口の味わい豊かな醤油に仕上げているそうです。


お隣には、その醤油屋さんが経営するお好み焼き屋さんで、蔵を改装して作られた「ほり川」が。
竹原にある3蔵(竹鶴酒造・藤井酒造・中尾醸造)で造られた純米吟醸酒粕を生地に練り込んであるそうで、どんな味がするのか食べてみたいんですけどね。
今回はお店の中には行きませんでしたが、『時をかける少女』の台本があって、見ることができるそうです。
食べログはこちら↓

tabelog.com


次は「今井政之展示館」へ。
今井政之氏は象嵌法の第一人者で、世界的にも有名な日本陶芸界の重鎮の一人。
先日見に行った広島市内の美術館にも収蔵作品として展示してありました。
象嵌(ぞうがん)は工芸技法のひとつで、金属や木材、陶磁などに模様を彫り、そのくぼみに別な素材をはめ込む加飾法。
撮影NGだったので写真は撮ってないんですが、その絵は魚のモチーフが多く、すんごい手が込んでいます。
現在は息子の今井眞正さん、孫の今井完眞さんとともに親子3代でそれぞれ違った作風の作品を創作されています。


豊山窯」と茶室「松聲軒」「柳慶亭」が敷地内にあって、お庭も美しいです。


その向かいに、「酒蔵交流館」なるものが!
お酒やぐい飲みやお銚子などのお酒グッズが売っています。
藤井酒造の利き酒ができると聞いていたんですが、コロナの影響からかやっていませんでした。残念…。

 


竹原ロケ映画はこの映画も。
『吟ずる者たち』(2021年 油谷誠至監督)です。
主演は比嘉愛未さん。
日本酒造りが盛んな広島の町で日本で初めて吟醸酒をつくった三浦仙三郎の酒づくりの思いに触発され、酒づくりの道を歩み始める女性の姿を描いた人間ドラマです。
この映画も劇場で見よう見ようと思いつつ見れず…。
いい作品らしんですけどね(お酒好きにはたまらないらしい)。
まだDVDや配信がされていないのでいつかまた地元の劇場でやらないかな…とひそかに期待しています。



しばらく歩くと不思議な形の屋根をしたお堂が。
これが映画『時をかける少女』(1983年)の名シーンとなった「胡堂」の横からの姿です。


正面から見たのがこちら。
和子(原田知世)が、朝の通学中に瓦が落ちるのを予知して、「危ない!」と吾朗(尾美としのり)を押して瓦から守るシーン。


撮影時は扉を閉めてありますが、普段は開けてあるとのこと。
あの瓦が落ちてくる部分だけセットで発泡スチロールの瓦でやったんだと思います。
塩田業が盛んだった頃、この地区は上市・下市と呼ばれており、胡堂は上市の商業の守り神として祭られていました。
現在は毎年10月に祭礼が行われているそう。


横の穴の模様が手裏剣みたいで面白い。


今でもお参りしたくなる風情がありますね。


胡堂の横を見上げると、色づく山。


少し階段を上ると、照蓮寺(浄土真宗本願寺派)が。
割と大きなお寺です。
本堂、経蔵、鐘楼門、庫裏などを備え、名園“小祇園”も。
古くは定林寺と称し曹洞宗の禅寺だったそうですが、1603年、宗具が入山して真宗に改宗、西本願寺派に。
境内には頼春風一族、塩谷志師、石井豊洲、木村好賢、エレキテルの初期実験者 橋本曇斉の墓もあります。


屋根を見上げると立派な鬼瓦!
厄除けにご利益がありそうですね。

 

街に戻り「竹原市歴史民俗資料館」へ。
昭和の初期、図書館として建てられたレトロモダンな洋風建築。
もともとは江戸時代中期の儒学者、塩谷道碩の旧宅跡で、頼山陽の叔父、春風が志を受け継いで学問所にしていたそう。
中には竹原に繁栄をもたらした製塩業の歴史や竹鶴政孝に関する資料などが展示してあります。
塩づくりの製法など、ブラタモリが好きな方は楽しめる展示ですよ。


街に戻り、「郵便局跡」へ。
明治4年に建てられ、明治7年に郵便取扱所として使われるように。
この隣のあたりが頼山陽のおじいさんのおうち「賴惟清旧宅」で、見学することができました。


楠神社の巨大クスノキ広島県の天然記念物に指定。
樹高32m、目通り幹囲8.6mで県内2番目の大きさだそう。
樹齢ってどのくらいなんでしょうね。


最後にNHK連続ドラマ『マッサン』で有名になった「竹鶴酒造」に。
ニッカウヰスキーの創業者で、「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝の生家です。
行った時間が早かったのか、閉まっていて、後で見ると開いていたんですが、お酒の小売り販売もあるのかな(お酒は「道の駅たけはら」でも購入できます)。
この町並みに屋敷を改装してつくったおしゃれホテル「NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町」が点在しているんですが、そちらでは竹原の美味しいお料理とともにお酒を味わうことができます。

 


こちらが『マッサン』の竹鶴政孝&竹鶴リタ夫妻の銅像

「よいウヰスキーづくりにトリックはない」。
ごもっとも。
何事もそうですもんね。
ありがたいお言葉を心に刻みます。

竹原市広島県)映画ゆかりの地&ロケ地めぐり+αの旅 その1は以上です。
お越しの際には“うさぎ島”として有名な「大久野島」も竹原から近いので、一緒に観光するのも楽しいですよ!

長々とご覧いただきありがとうございます。
その2,その3もまた近々!

 
 

 

 

いつもご覧いただきありがとうございます♪

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