カトリーヌの「朝1日1映画」

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【レポ】『アメリカン・エピック』エピソード3 多民族音楽国家アメリカ(2017年 アメリカ)/「ピーター・バラカンが選んだ音楽映画フェスティヴァル」上映+トーク

超貴重な音楽版“映像の世紀”を、監修のピーター・バラカンさんのトークとともに味わう

今日の1日1映画は、昨日見た広島市映像文化ライブラリーで開催中の「Peter Barakan’s Music Film Festival 2022 ピーター・バラカンが選んだ音楽映画フェスティヴァル」から日本初公開作品『アメリカン・エピック』(2017年 アメリカ)の「エピソード3 多民族音楽国家アメリカ」を。

この作品は、今「ルーツ・ミュージック」と呼んでいる音楽の大部分ができた1920年代後半の貴重な音源&フィルムを編集し、記念碑的なレコードがどのようにできたかを時代背景と共に伝える4話のドキュメンタリー・シリーズ。

音楽評論家でラジオDJピーター・バラカンさんが字幕監修していて、今回はバラカンさんのトークも開催されました。

開演15分前に到着したんですが、私がラストの1席で、滑り込みセーフ!(私のあとの入れなかった方々、すみません…)

 

満席です(本来は168席ありますが、コロナ対策のため84席)。

子どもの頃からラジオから流れてくるバラカンさんのお話と選曲に影響を受けて育った私。

改めて音楽映画とピーター・バラカンさんの人気を実感します。

今回見たエピソード3は超貴重な映像がたくさん!

昔からネイティブ・アメリカンの祭事として行われていたホピ族の太鼓+踊り。

ホピ種族以外には誰にも見られてはいけなかった神聖なる踊りが、映像や録音が発明されることによって、1920年代に観光として、レコードとして、それをある意味商品化しようと群がった人々によって公開されることに。

皮肉にも、そのことによって文化的に後世に残り、今、我々がこうやって映画となって見ているのでありがたいことですけどね。

その他ハワイアン(スティール・ギターは落ちていたボルトから発明された)、ケイジャン、ラテンなど、時代を築いた知られざるミュージシャンたちが次々と登場し、彼らの子孫の証言などとともに当時の様子をひも解いていく。

その歌声や演奏を約100年経った今聞けるなんて、本当に夢のようです。

しかも1920年代の映像なのに、とても綺麗。

今も生きているんじゃないかと思えるくらい、楽器を弾き&歌いながら彼らがフィルムの中から出てきそうな臨場感があります。

当時のレコードに関しては、原盤の金属が戦争の物資として回収されていて、ほとんど残ってないそう。

なので、音源としても非常に貴重です。

1977年に打ち上げられた宇宙探査機ボイジャー号の中には「ゴールデンレコード」という世界の音楽を記した原盤を搭載。

地球外知的生命体や未来の人類が見つけて解読することを期待して打ち上げられているんですね。

国や人種に関係なく人類が生み出した音楽について過去から未来までを描いた壮大な作品で、見終わって、今この時代に生きていることのありがたさをじんわり感じる内容でした。

映画が終わってからのピーター・バラカンさんのトークも貴重なエピソードが。

1952年にコレクターのハリー・スミスが注目するまで、1920年代の音楽には誰も注目しなかったとバラカンさん。

「オールディーズとして昔の音楽に着目するブームは70年代以降のこと。1920~30年代、黎明期の78rpmのレコード音源や楽器がこうして見られるこの映画は実に貴重。ぜひ大学などの教育現場で利用してほしい」とこのこと。

「映画の中に出てくる当時のレーベル(レコードの真ん中のラベル)の英語表記を見ると、スペルが間違っている物がほとんど。元々表記されたものがなく「聞き書き」だからで、ミシシッピジョン・ハート(“Mississippi" John Smith Hurt)だけ合っていました(笑)」と裏話も。

その他、バラカンさん、上映会場であるこの広島市映像文化ライブラリーの地下倉庫を見学。

 

「貴重なビデオがたくさんあって、僕が子供の時に見たモントレー・ポップ・フェスティバル(1967年6月16日~18日に開催された米カルフォルニアモントレーでの大規模ロックコンサート)のビデオもありました。「レディ・ステディ・ゴー」(イギリスのITVで放送された初のロック/ポップ音楽専門番組。ダイジェスト版ビデオかな)も。βマックスですけど」(会場笑)

「古いレコードやカセットテープなどもたくさんあって機材もあるので申請すれば見ることができます。若干料金は掛かりますが、ぜひ見て&聞いてみてください」とのこと。

私も地下倉庫を見学させていただいたことがあるんですが、貴重なフィルムはもちろん、映画の台本などもあり、もうお宝級。

実際、『忠次旅日記』(1927年 伊藤大輔監督)は、長らくフィルムが紛失し「幻の映画」となっていましたが、1991年、この広島市映像文化ライブラリーで約89分版が発見され日の目を見ることになり、現在修復されたデジタル復元・再染色版がリリースされています。

よくフィルムをデジタルなどの最新の形式に買い替えたら…みたいな話がありますが、そのためには上映機器などのハード面も数年ごとに買い替える必要があり、逆にコストがかかる。

古いものを古いまま保存していくことの大切さもありますね。

 

トーク後、↑この本や映画祭のTシャツ購入者にはバラカンさんのサイン会もあり長蛇の列が。

映像文化ライブラリーの夜の部での満席は珍しいと知り合いの会場スタッフもうれしい悲鳴を上げていました。

映像文化ライブラリーでは11月13日(日)まで開催(全国では地域によって現在公開中/公開予定/公開終了)。

来年も開催するそうなので、映画で知られざる音楽の世界を堪能してみてはいかかがでしょうか。

Peter Barakan’s Music Film Festival 2022 ピーター・バラカンが選んだ音楽映画フェスティヴァル」公式サイト↓

pbmff.jp

↓予告編

 
 

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