『キリマンジャロの雪』(1952年 アメリカ)
By Derived from a digital capture (photo/scan) of the film poster, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=18371252
「誰もが時間があると慢心し、結局何もできない…ドアの向こう側には、いつだって死が待ち構えている」(映画より)
今朝の1日1映画は『キリマンジャロの雪』(1952年 アメリカ)を鑑賞。
主人公の小説家ハリー(グレゴリー・ペック)はシカゴでの初恋に破れて以来、世界を放浪する身となった。
パリで知り合ったモデルをするシンシア(エヴァ・ガードナー)との恋は熱烈だったが、家庭を持ちたがる彼女とは衝突も多く、彼女の故意の流産が原因で一旦は破局を迎える。
リヴィエラでは彫刻家の伯爵夫人リズ(ヒルデガード・ネフ)と関係を持つが、これは一時の逃避、気休めにすぎなかった。
スペイン内戦に義勇軍として参加、束の間のシンシアとの再会に愛は再燃するが……。
アーネスト・ヘミングウェイが自身の最高傑作と賞した短編小説を、『さすらいの涯』のケイシー・ロビンソンが脚色、『愛欲の十字路』のレオン・シャムロイが撮影、『地球の静止する日』のバーナード・ハーマンが音楽を担当した作品。
グレゴリー・ペックとスーザン・ヘイワードが主演のメロドラマです。
回想録風になっており、スペイン内戦で脚の壊疽で瀕死の状態となったハリーが、自分の過去を走馬灯のように振り返る話。
主軸は忘れられない女性・シンシアとの出来事。
作家として世界を旅して取材がしたい活動的なハリーと、子供を産み育てるため安定した生活がしたいシンシア。
子供ができたことをパートナーを気遣って言えないシンシアの行動は、先日見た『山の音』の菊子(原節子)を彷彿とさせ、こういうことって日米の女性で考えることが同じというのも意外です。
でもこのハリーは『山の音』の修一(上原謙)と違ってめっちゃいい人。
女性なら見ると、ああ、この人なら介抱してあげたいと思わせる魅力があり、さまざまな女性とのロマンスもすべて納得感があります。
映画としては、ラブロマンスでありながら、アフリカで野生動物からの攻撃の恐怖を感じながら過ごすアドベンチャー要素、戦争取材のために義勇兵となり闘う戦争ものの要素などが入れ込まれてあって、飽きさせない。
フィナーレとなるラストにまで衝撃的なシーンが入れ込んであって、さすが緩急の付けどころが計算されています。
技法としては影の入れ方や、セット撮影のカットとアフリカの野生動物のカットとのモンタージュ編集が上手いことされていて、迫力はありますね。
セリフも詩的なものや、皮肉や洒落の利いたカッコいいものがたくさんある。
そして、前半の伏線的な出来事を後半でばっちり回収できるのも爽快感があります。
死にそうに痛くてしんどくて辛い時、こんなふうに過去のロマンスを思い出しながら愛する人に見守られて看病されたいなぁと妄想をしてしまう、いい映画ですね。
↓予告編
グレゴリー・ペック主演映画はこちらも見ました↓
いつもご覧いただきありがとうございます♪
にほんブログ村参加中(クリックしていただけるとうれしいです)