カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『死刑執行人もまた死す』(1943年 アメリカ)

By Derived from a digital capture (photo/scan) of the Film Poster/ VHS or DVD Cover (creator of this digital version is irrelevant as the copyright in all equivalent images is still held by the same party). Copyright held by the film company or the artist. Claimed as fair use regardless., Fair use, Link

ドイツからの亡命者であるブレヒト(脚本)×ラング(監督)が描く反ナチス フィルム ノワール

今朝の1日1映画は『死刑執行人もまた死す』(1943年 アメリカ)を鑑賞。

所は独軍占領下のプラハ

暗殺犯であるフランツ医師(ブライアン・ドンレヴィ)は追跡の包囲網の中で、マーシャ(アンナ・リー)の機転によって危機を救われ、そのまま彼女の家に匿われる。

ドイツの秘密国家警察ゲシュタポは犯人が捕まるまで、市民の無差別殺害を宣言。

マーシャの父(ウォルター・ブレナン)も連行される。

父を救うため、フランツに自首を請うマーシャだが、彼はレジスタンス活動の意義を説き、抵抗し取り合わない。

やがて、彼の身にも危険が迫るが、マーシャを始めとする市民たちの偽証で、ナチ側のスパイだったチャカが暗殺犯に仕立てあげられる……。

第二次世界大戦中に実際に起こった、ナチス・ドイツ保護領ベーメン・メーレン(チェコ)の統治者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺作戦をヒントに、2人ともドイツからアメリカへの亡命者であるベルトルト・ブレヒト(オリジナルシナリオ)、フリッツ・ラング(監督)が映画化。

サスペンス要素の中に、ナチスが市民に行った殺りく行為を盛り込んだ、痛烈にナチスを批判した映画となっています。

ストーリーとしては冒頭からラストまで、終始ゲシュタポが追ってくるので、何とか知恵を出しながら逃げたりはぐらかしたりという展開が見どころ。

ただ、罪なき市民が犯人捜しのために集められ、次々に呼ばれていくシーンは『シンドラーのリスト』的な何とも言えない辛さがあります。

1943年の映画でなんですが、映像が綺麗(修復されているっぽい)。

印象的なのは人物のシルエット。

謎めいた存在感を示しています。

舞台がチェコということからか、BGMにはチェコ人の作曲家スメタナの「我が祖国より『モルダウ』」が。

時代は違いますがチェコの独立を切望したスメタナの意志を、この映画でのナチスに迫害されるチェコ人の思いに重ね合わせてあるよう。

こういうダイレクトな内容の映画を1943年という第二次世界大戦の真っただ中に上映。

その後1950年代の冷戦の赤狩り時代に突入すると、共産主義を煽る映画ということで上映禁止となり、再び上映されるのは1970年代になってからという歴史も。

映画の背景にある歴史とともに見ると、感慨深さが増す作品です。

↓予告編

 
 

フリッツ・ラング監督作品はこれらも見ました↓

  

いつもご覧いただきありがとうございます♪

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村参加中(クリックしていただけるとうれしいです)