『大いなる遺産』(2012年 イギリス)
画像:リンクより
文豪チャールズ・ディケンズの名作の映画化。
突然莫大な遺産を手に入れた主人公の運命。
今朝の1日1映画は『大いなる遺産』(2012年 イギリス)を鑑賞。
19世紀イギリスの地方の村。
母親や兄たちを失った少年ピップ(ジェレミー・アーヴァイン)は姉とその夫ジョー(ジェイソン・フレミング)の家に引き取られ、貧しい生活を送っていた。
ある日墓地で、脱走した受刑者マグウイッチ(レイフ・ファインズ)と遭遇、食べ物を持ってこいと恫喝する彼を憐れんだピップは家の大事な食事を盗んで彼に与える。
その後、裕福なミス・ハヴィシャム( ヘレナ・ボナム=カーター)の屋敷に招かれ、そこでエステラ(ホリデイ・グレインジャー)という美しくも冷酷な少女と出会って好意を抱くが身分違いのためそれ以上の関係には進めない。
成長し鍛冶職人になったピップのもとに突然、謎の人物から莫大な遺産を受け取れるという申し出が舞い込んでくる。
しかしそれにはある条件がついていた。それに従い、田舎からロンドンに出てきたピップを怒涛のように襲う、数奇な運命。
果たして遺産の持ち主の正体は、そしてその目的は何なのか……?
文豪チャールズ・ディケンズの名作を、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』『フォー・ウェディング』のマイク・ニューウェルが監督し、ヘレナ・ボナム=カーターやレイフ・ファインズら豪華キャストを迎えて映画化した作品です。
何度も映像化されている作品ながら原作未読・映像作品未鑑賞なので見てみました。
まず見始めて感動なのはその風景の美しさ。
BS8Kの海外番組ですか? っていうぐらいの絵ハガキのようなイギリスの広大な草原や苔むした屋根の伝統的な家屋、時計台のついたうっそうと茂った庭の中になるお屋敷の数々…。
そこに、霧、朝日や夕日、夜にキラキラひかる海辺。
アクセサリーまで細部にこだわった伝統的な衣装。
もうそれだけでこの映画を見る価値があります。
話は、前半の伏線が後半にどどどどーーーっとつながっていって回収していくのでとても爽快感があるんですが、うーん、2時間の映画として描くには尺が足りない気が。
というのも、前半の状況説明が長いんです。
わりと複雑で壮大なお話で、説明だけで結構時間が必要だからなんでしょうね。
冒頭で「つかみ」はあるんですが、物語が動き出すのが遅いので、後半まで集中力を保つ必要がある。
この原作は、映画ではなく、何話も時間をかけて描くドラマの方がいいんじゃないかと個人的に思います(ドラマ化も4度されているようです)。
主人公が突然莫大な遺産を手にするという夢のような話ですが、苦労して自分の力で主体的に行動していないので「棚ぼた的」で、見る者としてはなかなか応援できず感情移入しづらいというのがあります。
(棚ぼた映画といえば『ボブという名の猫』(2016年 イギリス)もそうですが、これって紳士の国・イギリス的世界観なのかな?)
でもこの映画は「なぜ莫大な遺産を得ることになったのか」という謎が解き明かされていくミステリー要素が高い仕上がりになっていて、そっちに重点を置いているのがいいんでしょうね。
親子や夫婦の愛憎劇や格差恋愛も詰め込まれていて、さすが世界の名著だなぁ、これをアレンジしたのが韓国ドラマなんだろうなぁとも感じたり。
ぜひドラマでも見てみたい作品です。
↓予告編
主演のジェレミー・アーヴァインの出演映画はこの作品も見ました↓
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