カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『瞳をとじて』(2013年 日本)

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画像:リンクより

ノーベル文学賞作家、アンドレ・ジッドの「田園交響楽」を映画化。
萩原流行さん最後の主演映画。

今朝の1日1映画は『瞳をとじて』(2013年 日本)を鑑賞。

鎌倉で子どもたちを更生させる活動を行う神野智明(萩原流行)は、親に虐待された盲目の少女、百合絵(福地亜紗美)を預かる。

神野は百合絵を教育していくうちに、一人の女性として愛するように。

そして、生徒たちのために貯めた金で百合絵に目の手術を受けさせる。

しかし、目が見えるようになった百合絵は神野の息子、孝之(前川紘毅)を愛するようになり…。

親にむごい扱いを受けてきた盲目の少女と、彼女を教育する立場ながら許されぬ思いを抱く中年男のてん末を、鎌倉の美しい景色を背景に描く恋愛悲劇。

ノーベル賞作家、アンドレ・ジッドの小説「田園交響楽」を基に、『サル』『湘南ものがたり』などの葉山陽一郎がメガホンを取った作区品です。

あらすじだけでもう面白そうと思ったんですが、見始めると、映像の質が自主映画っぽい雰囲気。

なんでしょう、照明やセットがリアルで、作りこんでいない感じで。

最初はちょっと違和感があったんですが、ドキュメンタリーのようなリアルさがありつつ、ソフトフォーカスが多用されるので幻想的な雰囲気もあって、見ていくうちにだんだんお話の世界に引き込まれていきます。

やっぱり萩原さんの演技力が突出していて、その力量に魅了される。

萩原さんって、中年なんだけど、お父さんというより一人の男性としての色気をプンプン放っているじゃないですか。

先生なんだけど一人の男性という、生徒に手を出してはいけない、だけど色気が勝ってしまうという、その葛藤が絶妙なバランスで萩原さんに内在していて。

ほんとベストキャスティングだなぁと感じます。

家族を描きながらも夫であり父である中年の男性が少女に恋をしてしまうという流れは第72回アカデミー賞で作品賞を受賞した『アメリカン・ビューティー』に似ていますね。

あちらは家も広いし照明や雰囲気が明るくて、コメディチックであすが、こちらザ・和室で暗くて狭い空間だし、サスペンスやホラーの雰囲気があって、狂気の様相。

葉山陽一郎監督(1965-2018)って、ホラーも多く手掛けているので、こういう作風が得意な方なのかもですね。

施設の生徒のキャラクター設定も個性的で、エピソードの絡ませ方も分かりやすい。

仲本工事さんもショックでしたが、事故でこの作品を最後に亡くなられた萩原流行さん。

大御所の役者としては結構R指定的なチャレンジしているシーンもありますが、役に対する気迫が伝わってきて、まだまだその姿を見たかったなあと思わされます。

田園交響楽」を映画化した作品はほかにもあるようなので、ぜひ見てみたいです。

↓予告編

 
 

萩原流行さん出演映画はこれらも見ました↓

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