『原爆下のアメリカ』(1952年 アメリカ)
「明日は今日から始まる。水は石を動かす。未来を変えたければ、今の自分を変えろ」(映画より)
冷戦時代の悪夢的アトミック映画
今朝の1日1映画は『原爆下のアメリカ』(1952年 アメリカ)を鑑賞。
ニューヨークのあるバーでテレビを前に語り合う6人の男女。
そこにはミステリアスなオーマン氏 (ダン・オハーリー) 、テレビのニュースキャスター ビンス・ポッター (ジェラルド・モーア)、若く美しいニューヨーク社交界の女性カーラ・サンフォード (ペギー ・キャッスル)らがいた。
突然、敵国のアラスカ侵攻、次いでワシントン州空襲という臨時ニュースが入る。
事態に驚く彼らは、急ぎ職場や故郷へ向かうが、サンフランシスコをはじめ西海岸の諸都市や軍事基地は敵兵に占拠されてしまう。
そして、原爆を搭載した爆撃機の編隊がニューヨークに迫っていた…。
世界で初めて核戦争の恐怖をストレートに描いた異色パニック映画です。
なるほどー。
冷戦時代に、とある敵(といいつつも明らかにソビエト)がアメリカ本土に奇襲をかけるという内容。
しかも長崎型と同等の原爆が、軍事施設、インフラ、都市を問わずバンバン落ちる…。
結構衝撃的ではあります。
朝鮮戦争時代に米国民間防衛局の協力のもと赤狩りのプロパガンダとして作られた作品群の1つで、日本の『鳥人』(1940年)(見た時の記事は→こちら)のような青汁のCM的な部分もあって、ラストのオチは、あーそういうことなのねん。とちょっとズッコケそうになったんですけどね(笑)。
恋愛も絡ませてあって、真珠湾攻撃の話が恋愛エピソードとして出てきます。
編集としては、ストックされている実際の戦闘映像を半分以上使っていて、音楽を加古隆さん、ナレーションを山根基世さんに変えればNHKの「映像の世紀」のような雰囲気も。
予算的にもそこまで掛けてないので、大がかりな再現セットは作れない分、ところどころミニチュアによる特撮を入れ込んであり、洪水のシーンを部分的に再現するなど、ちょっとした見どころはあります。
この作品を去年見れば、ありえないと思えたかもしれないんですが、「戦略核」なんていう言葉を連日ニュースで見ている今見ると、ちょっとリアルですよね。
映画にはNATO軍や、ヨーロッパでの戦線という言葉も出てくるし。
笑い話にしたいけどできないような今、ちょっと勉強になる映画です。
↓予告編
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