『人間の絆(痴人の愛)』(1934年 アメリカ)
「恋はいつも同じよ。愛されるのはひどい悪女」(映画より)
浮気性のヒロインを演じたベティ・デイヴィスの転機となった作品。
今朝の1日1映画は『人間の絆(痴人の愛)』(1934年 アメリカ)を鑑賞。
画家の夢を断念しロンドンの医学校に通っていたフィリップ(レスリー・ハワード)。
喫茶店のウェイトレス、ミルドレッド(ベティ・デイヴィス)に夢中になる。
彼女は浮気者で男出入りが絶えず、他の相手と一緒になるからと、彼の求婚を退けたが…。
サマセット・モームの自伝的同名小説の一部分をジョン・クロムウェル監督が映画化した作品です。
内反足や生い立ちから自信がなくて絵描きも諦め医学の道に進む主人公。
出会ったウエイトレスとの恋が始まるんですが、この女性、ツンデレっぽいなぁと思いながら見進めていくと、ツンデレのツンばかりでデレが0.1%ぐらいしかない…。
目が大きくて色気があって、小悪魔ちゃんみたいな魅力があるんですが、人を操作する、性に奔放、子育てしないなど…かなり問題アリの女性で。
浮気をしてもうまくやるとか、嘘をつくとか、取り繕うとかあると思うんですけど、それはしないんですよね。
まあ、そういうことができない正直者っていえばその通りなんですけど。
かなりの悪態をつくシーンがあって、多分見ている人みんなこの女性の発言に「それを言っちゃあおしまいよ」…と思わされると思うんですが、それって、作品的には大成功。
ベティ・デイヴィスはこれまでパッとしないヒロイン役ばかりしていたんですが、それまで前例のない、誰もなり手がいないこの役を「私、やります!」って言って引き受け、見事に大評判となり、女優としての運命を変えることになったそう。
逆に言えば、それだけ演技が上手いっていうことですよねぇ。
1934年の作品ですが、内容は今の時代にも通じる“あるある”だらけ。
恋愛の裏切りや執着などがリアルな会話で演じられ、「そうそう」「いるいる」「ダメダメ逃げて!」など心の中でつぶやきながら見ていました。
ほんと昔の映画は侮れませんわ。
PS:似た設定の、谷崎潤一郎原作の映画版「痴人の愛」(1967年 増村保造監督)もぜひ見てみたいです。
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