『デビルマン』(2004年 日本)
ダンテの「神曲」からイメージされた漫画&アニメの実写化作品。
勇気をもって鑑賞してみると…。
今朝の1日1映画は『デビルマン』(2004年 日本)を鑑賞。
両親を亡くし牧村家に引き取られ高校生活を送っていた不動明(伊崎央登)。
親友・飛鳥了(伊崎右典)の父の死をきっかけに“デーモン=悪魔"の合体を受ける。
そして明の強い意志により人間の心を残したまま半分人間半分悪魔のデビルマンとなる。
やがて人や社会に潜む“悪の心"がデーモンの人類滅亡計画に荷担していき…。
様々なテーマが交差する衝撃的なストーリーとその壮大なる世界観で全世界を熱狂させた800万部突破の永井豪の伝説のコミックを実写化した、那須博之監督の遺作となった作品です。
『デビルマン』も、原作の永井豪氏が幼い時に読んだダンテの「神曲」が原点で、そこから“魔王ダンテ”というイメージを発展させて作った作品とのことで鑑賞。
でも見るのにちょっと勇気が。
というのもこの作品、酷評されているんですよねぇ。
まずいラーメン屋がどんだけまずいのか知るために食べに行く行為は、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスを重視するZ世代からするとありえないかもしれないんですが、昭和世代にはそれもエンターテインメントですので(笑)、見てみました。
いやいや、個人的には思ったほど悪くはない気が。
原作の漫画やアニメをちゃんと見ていないので、比較はできず(原作とは変えてあるようですが)、単体として見ての感想ですが。
デビルマンとしての運命を背負ってしまった一青年が、育ての親や好きな女の子を守るためにデーモンと闘うという悲しみは伝わってきます。
主人公自身の葛藤はそこまで描かれていないのと、友人(双子が演じているのでどっちがどっちか訳が分からなくなりそう)の目的や友情のきっかけは不明ですけどね。
で、今見ると、コロナVS人間にも思えてくるんですよね。
「あいつはデーモンだ!」と噂が噂を呼んで、確かめもしないで攻撃するとか。
ありましたよね、コロナ初期の頃の差別。
またデーモンを退治する警察が白い防護服を着ているので、原発の時の見えない敵、放射能との闘いにも見える。
そして、VFXを駆使して作り上げられている爆弾や焼野原はロシア・イスラエルの戦争にも。
人間が自滅していく様子を象徴しているようでもあります。
この映画が撮られたのが18年前。
世の中を予想していたかのような描写に見えてしまうんですよね。
描写としては、かなりグロい場面があります。
でも昨日の『ハンニバル』の後なので、そこまで…(苦笑)。
日本の風景や思考にはなじまないので、ちょっと浮いてしまっている感じはありますね…。
全体的に身近なストーリーと派手なアクションとで構成し、人間の業や教訓を入れ込んである。
そういう見方をすると、意外に感慨深い作品です。
撮影については、エキストラさんがたくさん出ていて頑張っているし、道をふさいで車もひっくり返してとか、土砂降りの中でのシーンは苦労したんだろうなとか、どうしても作り手目線で見てしまうので、悪くは言えない性が…。
役者さんも主役の方はよく知らない方なんですが、宇崎竜童&阿木燿子、冨永愛、染谷将太、ボブ・サップ、大沢樹生、きたろう、小林幸子、KONISHIKI、的場浩司、嶋田久作etcと豪華な顔ぶれ。
故・今井雅之さんの元気な姿も拝めます。
個人的には見てよかったですし、原作の漫画やアニメも見てみたくなりました。
PS:撮影&公開当時、メイクは細眉が流行っていて、主人公などが細眉なんですが、意志の強さを表すには太い眉の方が合っているんですよね…(アニメは太眉)。まあ流行なのでしょうがないですね…。
↓予告編
おじさん役の宇崎竜童さん、32歳の時の熱演も素晴らしい↓
いつもご覧いただきありがとうございます♪
にほんブログ村参加中