『デッド・ドント・ダイ』(2019年 アメリカ)
インディーズ・シネマの巨匠ジム・ジャームッシュ監督によるオフビートなゾンビ映画。
今朝の1日1映画は『デッド・ドント・ダイ』(2019年 アメリカ)を鑑賞。
警察官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィルで、前代未聞の怪事件が発生した。
無残に内臓を食いちぎられた女性ふたりの変死体がダイナーで発見されたのだ。
困惑しながら出動した警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と巡査ロニー(アダム・ドライバー)は、レイシストの農夫、森で野宿する世捨て人、雑貨店のホラーオタク青年、葬儀場のミステリアスな女主人らの奇妙な住民が暮らす町をパトロールするうちに、墓地で何かが地中から這い出したような穴ぼこを発見。
折しも、センターヴィルでは夜になっても太陽がなかなか沈まず、スマホや時計が壊れ、動物たちが失踪する異常現象が続発していた…。
アメリカン・インディーズ・シネマの巨匠ジム・ジャームッシュ監督による2019年カンヌ国際映画祭オープニング作品となったゾンビ映画です。
ジム・ジャームッシュ監督作品は、昔『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ミステリートレイン』とかすごく好きで、いろいろ見てました。
なんかカッコいいのにとぼけているんですよね。
で、この映画はアメリカでは酷評されていたりしますが、私はすごく好きな感じ!
ゾンビ映画なんですが、怖がらせます!っていう気合の入った作品ではなくて、やっぱりどこかとぼけていて笑えるんですよねぇ。
テーマ曲はゆる~い曲調のカントリーで、その歌詞(書き下ろし曲)の「あんたや俺以上に死体は死ぬようなことはない~♪」みたいな世界観が全編に漂っていて。
構成的には、前半で言った意味深なセリフが後半にも出てきて見事に回収していく様が非常に心地よく、「あ、このセリフ、出てきた!」「これはこの意味だったのね」みたいな瞬間が何度も味わえます。
面白いキャラは女性警官のミンディ。
空気を読まないキャラ(横に死体があっても美味しく食べ飲みできる系)で、コントのボケの役割が。
後半の彼女のシーンでは声を出して笑ってしまいました。
謎の女・ゼルダも、日本刀を振り回し存在感を放つ。
狭い田舎町に起こる、みんな顔なじみだからこその展開と、ゾンビや世捨て人による俯瞰の視点で人間を見ているのも面白いです。
この映画にはトリビア的な要素がたーくさん盛り込まれてあるようで、ゾンビ映画の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』はもちろん、『スター・ウォーズ』やフランク・ザッパの映画『200モーテルズ』、アメリカで人気があった深夜ホラー番組など、分かる人にはたまらない仕掛けも。
その他、主題歌を歌うスタージル・シンプソンや、伝説のロッカー イギー・ポップもゾンビ役でカメオ出演しているという豪華さ。
ジム・ジャームッシュの35年のキャリアの中で初めて、アメリカで広く公開 (600以上の劇場) された映画ということで、酷評はジム・ジャームッシュ作品を初めて見る、ゾンビを怖がりに来た一般のお客さんの評も入っているのかなとも思います。
シュールなコメディーが楽しめる人にはお勧めしたい映画です。
台風の地域の方、お気を付けください。
日本公式サイト↓
↓この映画のオマージュも。ゾンビ映画の金字塔。2人乗りのマイクロカー「スマート」を巡査役のアダム・ドライバーが乗りこなしていますが、「スマート」はこの映画にも登場↓いつもご覧いただきありがとうございます♪
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