『妖怪百物語』(1968年 日本)
日本の妖怪たちが大集合!
妖怪映画の元祖となったシリーズの第1弾。
今朝の1日1映画は『妖怪百物語』(1968年 日本)を鑑賞。
悪徳商人・但馬屋が、長屋と氏神の社殿を取り壊して女郎宿を作る計画を立てた。
長屋の住人は反対するが、悪代官と結託した但馬屋は強引に計画を進める。
悪事の実態を探るため隠密が調査を始める中、ついに社殿が取り壊され、そこに奉られていた妖怪たちが現れ…。
一つの怪談を語るたびにロウソクを消していく“百物語”から物語は始まる、安田公義監督による大映「妖怪」シリーズの第一弾です。
てっきりホラーな怖い感じの作品かと思ったんですが、結構楽しい。
見た目は映画ならではの重さがなく、テレビシリーズの時代劇という感じ。
お話の展開が分かりやすく、いい人と悪い人のキャラがはっきりしていて、主人公は何か宿命を背負った暗い過去を持った人物ではなくて藤巻潤さんの体育会系な雰囲気もあって結構明るく、困っている人のためにひと肌脱ぐ好青年です。
そんなザ・時代劇の中に、ユーモラスな妖怪たちがたくさん出てくる。
いろんな種類のキャラクターの妖怪が登場するのは今でこそ定番ですが、映画としてはこの作品がその元祖で、江戸時代の画集や水木しげるの妖怪画を元に妖怪たちを造形。
人魂としては河童、ぬっぺっぽう、ろくろ首など28種類の妖怪が登場しています。
小さい妖怪が多いんですが、中には子供が入っていたりするのもあって、動きがかわいいんですよね。
もちろん怖い妖怪もいて、空中を浮遊するなどの動きを出すのに特撮や特殊効果が用いられていて、スタッフさんの熱意が伝わってきます。
技法としてはスローモーションが印象的。
妖怪たちの動きをゆっくりとした動きにすることにより、人間の動きの速さとは違う世界観を作り出しているような気がします。
今も妖怪は子供たちに人気ですが、この映画の公開当時も妖怪ブームが起き、この映画を水木しげるが漫画化し、ノートやプラモデルなどの商品化もされていて、相当人気があったよう。
『妖怪百物語』としては、水木しげるの漫画版よりこの映画の方が先なんだっていうことにも驚きです。
災いを封じてくれたり、悪い人を懲らしめたりする存在である妖怪。
今のように進化した時代にも、どこかに妖怪がいると信じたいという気持ちがあるかぎり、妖怪は人気があり続けるのかもしれないですね。
PS:コミカルな新吉役のルーキー新一さん(コメディアン/レツゴー正児の実兄)と妖怪の戯れが楽しいです。
↓予告編
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