『山と谷と雲』(1959年 日本)
兄弟の葛藤を織り込んだ文芸ロマン大作。
今朝の1日1映画は『山と谷と雲』(1959年 日本)を鑑賞。
日本アルプスの雪山で遭難し、からくも救出された山岳写真家・牧戸次郎(石原裕次郎)。
有馬寿々子(北原三枝)の手厚い看護を受ける。
寿々子は次郎の兄・一郎(金子信雄)が結婚を考えている女性。
彼女のやさしさに心打たれた次郎は、結婚を悩む寿々子に兄と一緒になることを強く勧める。
やがて結婚する二人だったが、そこにはさまざまな葛藤が待ち受けていた…。
檀一雄原作「女の山彦」を牛原陽一監督が映画化した文芸ドラマです。
画的には山々の風景がパーッと広がっていて非常に気持ちいい。
一方人間関係はその逆で、自分の思いと相手を思いやる気持ちとの間で葛藤する。
この画としての解放感、人物の心情の閉そく感がギャップを生み出し、皮肉とともに描かれていて、ドラマを面白くしていますね。
石原裕次郎はいわゆる日活アクションと呼ばれる娯楽映画と、若き青年を演じる文芸映画にそれぞれ出演していて、この作品は文芸映画の方。
兄の妻を慕いながらも、それを悟られまいとする男心を好演しています。
石原裕次郎はニット帽をちょこんと後ろ被りして、山男スタイルで立っているだけなんですが、それだけでやっぱり画になる。
兄役の金子信夫は、料理番組で東ちづると料理を作っているおじさんの記憶しかないんですが、昔はこういった品のいい作家役から『仁義なき戦い』のやくざ役まで幅広く活躍されていて、へぇーと思うことが多いです。
北原三枝もしおらしい女性を好演していて素敵。
こういう文芸作品ってずっと心に残りますね。
PS:フクロウが出てくるんですが、かわいいです。
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