カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『鳥人』(1940年 日本)

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61wVXE3ZrKL._RI_.jpg

画像:リンクより

江戸時代、ライト兄弟より以前に飛行機発明に奮闘した男の物語。
当時6歳の長門裕之が子役で出演。

今朝の1日1映画は『鳥人』(1940年 日本)を鑑賞。

時は天明年間(1781年~1789年)の備前(岡山)。

ライト兄弟に先んじること百年余、空飛ぶ機械の発明に没頭する表具師の幸吉(嵐寛寿郎)。

世間から変人扱いされ貧しい生活ながらも弟子の音吉(岩田直二)、助手となった浪人・経堂重兵衛(大国一公)らと研究を続ける。

幸吉が切支丹(キリシタン)一味というデマの流布などの妨害や事故もあったが、遂に飛行の日が来る…。

空飛ぶ機械の発明に尽力した浮田幸吉(1757年~1847年頃)をモデルに、「アラカン」こと戦前・戦後期にわたって300本以上の映画に出演した活躍した時代劇スター・嵐寛寿郎を主演に描く、丸根賛太郎監督によるドラマです。

去年、日時計水時計を製作した韓国の科学者を描いた『チャン・ヨンシル ~朝鮮伝説の科学者~』(2016)を見て、東洋にもこんなにすごい人がいたんだなーと思ってたんですが、日本にも発明に命を懸けた人がいたんですね。

鳥が空を飛ぶメカニズムを表具師ならではの発想で設計し、一から航空機を作り上げていく様子は圧巻です。

その熱意にほれ込む弟子や、心配しながらも応援する家族の描き方も丁寧で、アクションなどの派手さはないですが、しっかりとしていて見ごたえがある。

文人画家・浦上玉堂が登場するのは、史実かどうか分からないですが、同じ岡山藩ということで表具師の幸吉と絡ませてあるんでしょうね。

セットがこの時代にしては割と大がかりで、手作りの精巧な飛行機はもちろん、滑走路も竹か木で組んであって美術さんの意気込みを感じます。

古い映画で音声は若干悪いものの、1950年代の早口セリフと比べるとゆっくりはっきりしゃべるのでだんぜん聞き取りやすく分かりやすい。

浮田幸吉の息子役に長門裕之さんが6歳で出ていて(当時の役名は沢村アキヲ)、かわいい演技を見せてくれているんですが、なんとなく面影がありますね。

で、ラストなんですけど(ちょっとネタバレ)…。

BSとかで一昔前にやっていたドキュメンタリー風CMってあるじゃないですか。

ドキュメンタリーだと思って見始めて感動していたら、最後に青汁を飲み始めるという。

あれと同じような感覚がよみがえります(苦笑)。

製作・公開は1940年。

この映画が何のために作られたのかということを考えさせられるエンディングです。

PS:「鳥人間コンテスト」、今年も8月31日(水)19時から日本テレビ系列で放送。
大空を舞いたいという熱い思いは今も昔も変わらないですね。

 

いつもご覧いただきありがとうございます♪

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村参加中