カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『今日のいのち』(1957年 日本)

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17歳の津川雅彦、24歳の北原三枝が主演
真実の愛を巨匠・田坂具隆監督が描く

今朝の1日1映画は『今日のいのち』を(1957年 日本)を鑑賞。

医者の娘として育てられた理知的で美しい女性・南方理子(北原三枝)。

戦災で失くした青山の病院を再建することを約束に青年医師(安井昌二)からプロポーズされる。

そんなある日、京都に住む叔父の吉成佐武郎(織田政雄)から理子に京都へすぐ来るよう電報が届いた。

どんな用事か分からぬまま、同じ京大で学ぶ鳥羽岳ニ(津川雅彦)と一緒に京都へ向かうのだが…。

巨匠・田坂具隆監督が若き人々の真実の愛に温かい眼差しを向ける人間賛歌です。

先日見た田坂具隆監督作品『乳母車』はふわっとした明るさがあるあたたかいお話でしたが、こちらは悩み多き人々の人間模様で、みんな何かしら心に霧が掛かっている。

主演は北原三枝津川雅彦で、当時17歳で学生服を着た津川雅彦が、7歳年上の24歳北原三枝に思いを寄せるんですが、いろんな逆風が吹いていて。

キーワードは「身分の差」。

お金持ちとそうでない者の間には差があって、「女も社会的な力を持つ必要がある」と聞かされ、その差をどうにかして埋めて、同じ立場に立てば思いが叶うと奮起する南方理子(北原三枝)。

社会的立場の弱い女性が、世間の風当たりの強さや勧誘話に揺らぎながら、信念の愛を叶えるために奮闘する姿が描かれます。

映画としては、一人の女性の生き様を主に描くのではなく、あくまで恋愛が主軸として描かれているので、その恋の行く末によって、彼女の人生が非常に左右される。

そのため、主人公の女性としての社会的立場については、いいところまではいくんですが、答えは出ないまま終わっちゃうんですよね。

こういう話の構成や展開は当時の日本映画の人間ドラマ系の物語によく見られるパターンな気がしていて、「じゃあ、どうするの?」と見終わったあとに観客にその後の主人公の人生を考えてみては?と提示されているような気持ちになります。

長さは157分で、劇的なシーンもありますが全体的には人物像を丁寧に描写。

石原裕次郎も助演として出てきて、やはり北原三枝と二人で映ると、そのスラッとしたモデルさんのような体形にうっとりしてしまいますね。

津川雅彦さんが学生服で車の運転をしているんですが、当時は16歳以上なら小型車両の免許がとれて運転できたそう。

今ではできない設定です。

こういうしっとりとした日活映画もいいですね。

 
 

田坂具隆監督作品はこちらも見ました↓

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