カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『昭和やくざ系図 長崎の顔』(1969年 日本)

被爆者の青年が、組を立て直すために立ち上がる!
長崎の街を舞台に渡哲也が繰り広げる任侠アクション。

今朝の1日1映画は『昭和やくざ系図 長崎の顔』(1969年 日本)を鑑賞。

間組の後継・高間慶二(渡哲也)が刑期を終え、出所する。

長崎の街は想像以上に変わり果て、高間組が持っていた興行権は今は松井組に奪われていた。

間組を取り巻く世間の空気は冷たかったが、慶二は父の墓前に組の立て直しを誓う。

長崎を舞台に内山田洋とクール・ファイブの興行権を巡る壮絶なやくざ戦争が勃発。

渡哲也VS安藤昇の任侠アクションがさえわたる、映画俳優・渡哲也を堪能できる1本です。

今日は長崎原爆の日ということで、長崎の作品の中からセレクト。

やくざ映画ではありますが、主人公の慶二は子供の時に被爆していて、父親は被爆死。

それが彼の人生に大きな影響を与えていきます。

私が知る渡哲也さんは、ドラマ『西部警察』からなんですが、この映画の当時は28歳。

石原裕次郎さんの後継者として日活アクションを背負っていて、この映画が公開された1969年だけでも13本も映画に出ています。

13本って…1か月に1本以上撮影しているってことですよね…。

明かに過労ですわ…。

そんな過密スケジュールな中撮られた作品ですが、見ごたえがあるのは長崎&大村ロケ。

異国情緒漂う素敵な街が映っているんですよね。

ロケ地は、長崎市長崎駅長崎市民公会堂、浜市観光通り商店街、思案橋、観光ホテル青雲閣、長崎大学オランダ坂、グラバー邸、平和公園、爆心地記念碑、料亭花月眼鏡橋、鍛冶市商店街、大浦の異人館浦上天主堂、長崎港、興元寺、稲佐山レストハウス稲佐山ロープウェイ)/大村市(大村空港)。

もう、長崎に行く前はこれを見てから行った方がいいんじゃないかっていうくらい長崎の一大プロモーション映画になっています(現在は変わっている施設もあるかもですが)。

内容はコンサートの興行権をめぐる抗争が描かれていて、ディック・ミネ(当時61歳)や内山田洋とクールファイブ長崎市民公会堂に出演して歌っています。

クールファイブのボーカル・前川清さんは、当時21歳(若っ!)。

長崎は今日も雨だった」などを歌っていますが、当時は今より声が高い!

超フレッシュな前川さんの姿が拝めます。

高間慶二(渡哲也)のキャラクターは、大学出のエリートで、いつも低い声で冷静に判断をしていますが、いざという時には組員のためなら命を投げ出すくらいの頭(かしら)で、会社の上司に欲しいタイプ(贅沢)。

こういう情の厚さが魅力的です。

カメラワークはズームが随所に盛り込まれ、静かなシーンでも集中線のように人物の視線や心の動きに注目させられる。

面白いのがズームがアップとアウトを交互に繰り返すカットがあって、「心の揺れ」を表しているんでしょうけど、他の映画ではあまり見たことがない表現です。

ラストシーンはズドーンっていう感じなんですけどね…。

あ、あのたまに来る「揺らぎ」はこれだったのか…と。

彼女役の益田ひろ子さんもお綺麗だし、当時のミニスカートファッションやモダン&ファンシーなインテリアも見ていて楽しいです。

熱いアクション映画ではありますが、『孤狼の血』とはまた違い、被爆者である一青年の生き様を取り上げた作品。

見終わってじんわり考えさせられる1本です。

PS:渡さんって、瞳が明るい茶色でかわいい目をしているんですね。『西部警察』の時のあの大門サングラスは、その可愛さを隠して箔を付けるためだったのかも(想像)。
一方、敵対する松井組・小岩竜吉役の安藤昇さんって、元は終戦後の渋谷を席巻した安藤組の初代組長で、俳優に転身された“本物”の方。あの左頬の傷跡と三白眼でにらまれたら逃げられそうにないです。。

↓予告編(冒頭5秒くらい映像があります)

 
 

この映画の渡哲也さんはあまり見たことのない役です↓

いつもご覧いただきありがとうございます♪

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