『昭和残侠伝』(1965年 日本)
高倉健の魅力が開花した
任侠シリーズ第一弾!
今朝の1日1映画は『昭和残侠伝』(1965年 日本)を鑑賞。
終戦直後の東京は、瓦礫の街と化し、人々の心も荒れすさんでいた。
浅草も例外ではなく、日本古来の美風として栄えた任侠道も新興勢力の暴力団・新誠会の台頭によって廃れようとしていた。
戦地から復員してきた寺島清次(高倉健)は、神津組三代目を継ぐこととなり、露天商の商品集めに奔走するが、新誠会の執拗な妨害を受けることとなる。
一方、浅草の真の復興をを願う親分衆たちは、金策し清次にマーケットを作らせようと後押しをしてくれたのだが…。
高倉健扮する青年親分の子分に松方弘樹、梅宮辰夫を配し、三田佳子、これが東映映画初出演の池部良らが脇を固める豪華キャスティングで描く任侠巨編です。
健さんについては『幸福の黄色いハンカチ』『ブラック・レイン』ぐらいしか見たことなくてイメージとして寡黙な人ぐらいしか知らなかったんですが。
これが「健さん」を世に知らしめたシリーズなんですね。
なんていうのか、“佇まい”っていうんですかね。
今風でも軽やかでもない、重くて暗い雰囲気と、健さんだけ我々とは別の時間が流れているような感じがするんですよね。
それから目で語っている。
瞳が黒くて大きく、眉が太い。
ヤクザではあるけれど、そうなるを得ない時代背景があって、耐えながらもその世界で生きていく覚悟が瞳の奥に読み取れる。
そしてこういう目を持っているのは、思い出すと、こども向けアニメの主役たちもそう。
一般的には反社と呼ばれる職業ですが、その中にもこの人の誠実さがにじみ出るのはその目と眉の印象のせいかなと。
私、健さんが営業に来て、その目で、あの声で商品の説明をしたら、きっと買ったり契約したりしてしまいますもん(←どんな妄想 笑)。
一方敵役の新誠会のやくざは白目が多く、眉が細いという、悪役顔なんですけどね。
多分10分~15分に1回は喧嘩や殺陣のシーンが挟まれていて、エピソードも女性や兄妹、親分子分の兄弟愛と細かく入れ込まれていて結構重層となっていて見ごたえがあるんですが、見終わって焼き付いているのは健さんの黒くて大きな瞳と、背中に彫られたの唐獅子牡丹と、健さんの歌うテーマ曲という。
見終わった後にその姿が脳裏に焼き付く。
スターがスターたるゆえんって、そういうことなんでしょうね。
また「健さん」の姿が見たい!と思う気持ちが募る。
このシリーズが第9作まで作られたのも分かります。
当たり役と出会えた健さん。
その姿をようやく見れてよかったです。
↓予告編
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