『不良番長 口から出まかせ』(1970年 日本)
なんだ、この“ごった煮”感!
梅宮辰夫主演、ハチャメチャなアクション、お色気、爆笑で魅せる不良番長シリーズ第10弾。
今朝の1日1映画は『不良番長 口から出まかせ』(1970年 日本)を鑑賞。
史上最強の愚連隊VS史上最悪の愚連隊が、王座をかけて世紀の対決!天下無敵の不良グループ「カポネ団」は遂に日本脱出をはかる。
たどり着いたのは男性天国、女ばかりのとある漁村。
島の娘を集めて、売春クラブでボロ儲けするカポネ団の前に現れたのは…!?
梅宮辰夫主演、野田幸男監督による不良番長シリーズ第10弾です。
昨日までのスーパーヒーロー『遊星王子』、爽やか青年『殺られてたまるか』ときて、梅宮辰夫が過去にどういう進化を遂げていたのかを見るために主演の人気シリーズ『不良番長』を鑑賞。
あー、なるほど、こっちの路線に。
一言でいうと「おバカ映画」です。
のっけからドクロマークの船の帆が映り、“和製パイレーツ・オブ・カリビアン”かと思いきや、よく見たらボロボロの筏(いかだ)というズッコケなシーンから始まり、もうそこからは何でもありの吉本新喜劇のよう。
大きな目的は「裏で悪事を行っているヤツらの金をゆする」なんですが、ギャグを交えながらあれよあれよという間にお話はテンポよく展開していきます。
主役は梅宮辰夫なんだけど、周りのキャラが見た目もやることも濃すぎて埋もれている…。
特に、山城新伍の主役越えの存在感(笑)。
終始ギャグを練りこんだセリフで、あ、この感じ、どこかで聞き覚えが…。
香港映画『Mr.Boo』の広川太一郎日本語吹き替えバージョンのアドリブセリフに似ていますわー(←大好き)。
スラスラと口から出まかせを言う感じ、ある意味耳に心地よいんですよね。
それにしてもロック歌謡のような音楽から、ヌードで踊るおねーちゃんたち、カッコよさを台無しにする下ネタ、懐かしのバイクまで、70年代の雰囲気がとことん味わえるごった煮感。
主役たちが危険な場面でどこからともなくやってきて助けてくれる兄貴分・菅原文太の登場シーンはまるで西部劇のよう。
あらゆるハリウッド映画の要素を入れ込んで面白い映画にしようという当時の東映制作部長(のちの社長)岡田茂さんの思いが詰まっているのが分かります。
当時人気だったようで、東映最長の全16作品を製作。
子供でも分かるギャグの連発で、今の映画で言うと『今日から俺は!』の雰囲気なんですが、それをもっとハレンチにした大人版っていう感じ。
まあ、このハチャメチャ感は今ではできないノリの映画ですね。
菅原文太がピストルを撃つ時の音は「キューン」と、ちょっと高め。
由利徹の動きだけで笑えるギャグ、小林稔侍や渡瀬恒彦、安岡力也の若い時も拝めます。
日本映画にもこんな時代があったんですね。
今となっては貴重です。
↓予告編
梅宮辰夫さんの21~2歳の頃の作品。変貌ぶりが楽しい↓
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