『殺られてたまるか』(1960年 日本)
三田佳子(当時19歳)の女優デビュー作
梅宮辰夫(当時22歳)が腕で闘うアクションドラマ
今朝の1日1映画は『殺られてたまるか』(1960年 日本)を鑑賞。
やくざは父親一代で沢山だと叫びながらも、生活の為にやくざに身を投じる兄(千秋実)。
地味に建設会社でサラリーマンをしながらも、純愛を秘めて血気にはやり、やくざの世界とも知らず足を踏み込もうとする弟(梅宮辰夫)。
血塗られた掟に縛られるやくざの悲哀を鋭くえぐり、慕情と激情を織り成して展開する若林栄二郎監督による痛烈アクションドラマです。
昨日の『遊星王子』の梅宮辰夫さんの他の芝居を見たく鑑賞。
こちらは梅宮さん22歳の時の作品で、イケメンですねー。
梅宮アンナさんも似てるなと思うし、雰囲気が三浦春馬さんにも似てる気が。
相手役の三田佳子さんは当時19歳でこの映画でデビュー。
演技はね、まだおぼつかないというか、可愛らしいというか、慣れていない感じ。
梅宮さんもこの頃はまださわやか&フレッシュで、元ボクサーという役どころだけに、派手な立ち回りの肉弾戦が見ものです。
お話としては、兄と弟の兄弟愛に、親ややくざや恋人たちが絡んでいきという展開。
音楽は状況を盛り立てるBGMが分かりやすく、カメラワークはズームイン&アウトがスムーズです。
ハリウッド映画(例えばフリッツ・ラング監督)のように、話をバサっと省略してつないであるシーンがあるんですが、逆に主要部分を浮き上がらせ、緩急が付いていいですね。
血気盛んなやくざの世界でも、密談をする時は茶室でゆっくり茶を点ててふるまいなら、というのも派手なアクションシーンとの対比ができていいなと思いました。
立場の違う兄弟の愛っていうことで、ちょっと『男たちの挽歌』を彷彿させたりもしますが、こちらはあそこまでエモーショナルではなく、爽やか。
第二東映という若い俳優や監督を起用する会社の製作だけあって、やくざは出てきますが、映画全体には軽やかさがあり青春映画の仕上がりがあります。
この作品がヒットし、梅宮辰夫&三田佳子のコンビでのちに10数本のコンビ作を量産。
でも2人の相性はそこまで…って感じだったみたいですけどね。
「人に歴史あり」を見せつけられる作品です。
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