カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ブレイキング・バッド』(2008年 アメリカ)

By May be found at the following website: DVDTimes.co.uk., Fair use, Link

これは面白い! 高校の化学教師が犯罪者に。
受賞歴多数のアメリカ・ネオウエスタン・犯罪スリラー。

今朝の1日1映像は『ブレイキング・バッド』(2008年 アメリカ)を鑑賞。

主人公のウォルターは冴えない高校の化学教師だが、自身が末期がんに冒されていることを知った後、新しい人生に目覚める。

かつては成功を嘱望される化学者だったウォルターだが、今はやる気のない高校生に授業を行うかたわら、洗車のアルバイトをして家計を助ける身。

妻のスカイラーは、eBayでの売買でほどほどの稼ぎを得ていた。

息子のウォルター・ジュニアは17才。意志の強い若者だったが、脳性まひに苦しんでいた。

家族に残せるものがほとんどないことに気がついたウォルターは、新しい人生の目的に目覚め、愛する家族に財産を残すため犯罪に手を染めていく。

プライムタイムエミー賞を16回獲得したほか、ゴールデングローブ賞などの名だたる賞を合計154受賞&247ノミネートしているドラマです。

見たのはテレビドラマシリーズの第1話ですが、本「脚本の科学」に紹介されていたので拝見。

もうオープニングから「え?」という画が展開しまして。

アメリカの荒野にズボンが空から降ってくるんです。

そこにキャンピングカーが暴走してきて、ズボンが轢かれる。

運転しているのはパンツ一丁でガスマスクをしている切羽詰まった男。

それだけでもう「何があったの?」と興味深々で見進めますよね。

その推進力のある展開にもうノックアウトです。

男は科学の高校教師。

ビデオに家族への遺書めいたメッセージを録画します。

そこから彼に何があったのかがひも解かれる設定。

それ以降は上記に書いたあらすじのようなことが、彼を取り巻く悩み(夫婦(SEX)、親子(障害)、親戚(付き合い)、社会的(生徒との関係))から、犯罪に手を染める経緯が細やかでリアルなエピソードとともに綴られます。

犯罪者が主人公の場合、ただの悪い人に観客は共感できないんですが、本当はいい人だというエピソードをいかに盛り込むかで、物語の見方が180度変わる。

主人公が観客と同じ感覚を持った普通の人だということを徹底的に描くことによって、観客は共感でき、彼の非日常の体験を一緒に味わうことができる気がします。

彼の不安な心情を表す“手ブレ”を取り入れた手持ちカメラ、恐怖感を作り出すための関係ないエピソード、主人公を取り巻く登場人物は何を考え、主人公をどうとらえているかも入れ込んである。

そのあたりは映画より時間的に多くのエピソードが描けるので気持ちが乗りやすいというのもありますが、セリフ+画の流れで見せる技術が高い監督だなと感じます。

このドラマ、シーズン1が7話完結ですが、その後大好評でシーズン5まで作られ、最終話として映画『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』(2019)がNetflixで配信、アメリカでは3日間限り劇場公開されています。

こういう、化学教師と犯罪者がふとしたきっかけで“化学反応”を起こし共謀するという、負のスパイラルが増強していく内容ってアイデアとしてほんと秀逸。

続きもぜひ見てみたいと思います。

↓予告編

 
 

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