カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『(500)日のサマー』(2009年 アメリカ)

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知的さと品のバランスが絶妙。
500日の出来事をセンス良く描くラブコメディ。

今朝の1日1映画は『(500)日のサマー』(2009年 アメリカ)を鑑賞。

建築家を夢見つつ、グリーティングカード会社で働くトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。

ある日、秘書として入社してきたキュートなサマー(ゾーイ・デシャネル)に一目惚れしてしまう。

トムは運命の恋を夢見る男の子、一方サマーは真実の愛なんて信じない女の子だった……。

恋を信じる男の子と信じない女の子の、ビタースウィートな500日をつづったラブストーリーです。

これは面白い作りの素敵な映画ですね!

ベースとなるお話は、1カップルの500日を追った流れなんですが、恋愛における男女の考え方(成長さ)の違いを、突拍子もないセリフや行動、カットがどんどん変化するテンポのいい編集、音楽のリズムをつかんだMVのようなカット割り、心情を表すアニメーション、哲学的なナレーションなどで見せていて、心地よい世界観が構築されています。

見た目も細くてひ弱な主人公と、自由な恋愛を好むはっきり意見する個性的な女の子というキャラクターの差も、巻き込む方と巻き込まれる方ができてお話に渦を起こして面白くなる。

表現方法として『アメリ』(2001年フランス)や『モテキ』(2011年日本)のエッセンスを感じますね。

調べてみると、監督のマーク・ウェブってもともとミュージックビデオを作っていた方なんですね。

どおりでテンポがいいはずです。

技法としては、まず、500日間の出来事について、「(1)日目」「(34)日目」「(500)日目」などテロップを出し、それぞれのシーンの2人の変化を楽しむ映画だということを最初から観客に理解させているので、見ていて日にちが進むにつれ期待が高まるようにしてあります。

画面として特徴的なのは2画面で、男性が左側、女性が右側で、同時にそれぞれの画面に映し出す場面もあれば、主人公の「期待」となるシーンを左画面に、「現実」の場面を右画面に映し出すという、内面を表現した画期的な方法も。

小道具などで出てくる映画やレコードジャケット、主人公が書く絵、青い光や衣装など、細部までさまざまなこだわりが見られる美術的感覚も素敵で、セリフには下品な言葉をわざと言うみたいなシーンもあるんですが、知的さやお洒落な雰囲気がそれらをカバーしています(『ピンク・パンサー』でも同じことを感じました)。

誰もが味わう恋の苦い思い出。

それをこう料理するか!と思わせる、監督のセンスを味わえる作品です。

↓予告編

 
 

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