カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『悲しみよこんにちは』(1958年 アメリカ・イギリス)

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フランソワーズ・サガンの同名小説を
“セシルカット”のジーン・セバーグ主演で映画化。

今朝の1日1映画は『悲しみよこんにちは』(1958年 アメリカ・イギリス)を鑑賞。
南フランス・リビエラの別荘で、セシールは17歳の夏を、プレイボーイな父レイモンと愛人エルザの三人で迎える。

セシールがフィリップと海辺で出逢い恋に落ちた直後、亡き母の親友アンヌが別荘を訪れる。

やがてレイモンとアンヌは親密になり結婚を決意すると、アンヌは母親気取りでセシールの恋にまで干渉し始め・・・。

フランスの作家フランソワーズ・サガンの同名小説の映画化。

当時、19歳だった新人ジーン・セバーグ(のちの『勝手にしやがれ』主演)のショートカットのヘアスタイル“セシルカット”が大流行しました。

ジーン・セバーグの初々しさ、おしゃれなファッションやバカンスの開放的な雰囲気、グラフィックデザイナーのソール・バスが手掛けたタイトルデザイン…などなど、女性が好きなモノが詰まった素敵な映画ですね。

原作を読んでいないので何とも言えないですが、映画としては現在=白黒、過去の回想=カラーの「パートカラー」となっていて、主人公の心情を表しているのが分かります。

話としては、やるせないし、いたたまれない。

昨日見た映画『ラースと、その彼女』のように、誠実な人が報われるという内容なら、人としての行いとして納得がいくことが多いんですが、この映画はその逆が描かれていて。

トラウマが辛いけどそれを乗り越えようともがいている現在進行形の娘と、そのトラウマな出来事がなかったかのように“今が良ければすべて良し”なお気楽な父。

父親と娘の関係性については『晩春』同様いろいろ言われているようですが、フランス的な自由な人間関係が描かれているので、道徳観や倫理観が日本とは違っていてちょっと戸惑う部分があるんですよね。

生き方について考えさせられる映画です。

技法としては構図が非常に美しく、三分割法が取り入られていて、建物の角に人物を配置して遠近感を出したり、対立する場面では2人を均等に映したりしています。

大きなパラソルの裏でイチャイチャしたり、主人に隠れてメイドがワインをがぶ飲みするなどの小道具の使い方や、流れてくる歌の歌詞に心情を重ねるシーンも面白い。

有名な作品ですが、そこまで評価されていないのは原作小説が有名すぎるからでしょうか。

ジーン・セバーグが好きな友人の勧めでDVDで見ました。

原作を読むとまた違った印象なのかもしれないですね。

PS:原作を読みました。やはり描かれていないシーンや、時間の前後などあり、映画は映画、小説は小説だなぁと思いました。それにしてもあのヒリヒリとした少女の独特の感性を生み出すフランソワーズ・サガンの才能すばらしいですね。

↓予告編

 
 

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