『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年 アメリカ)
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アメリカ&世界の縮図をエンターテインメントで魅せる。
今朝の1日1映画は『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年 アメリカ)を鑑賞。
国際情勢が緊迫する1960年代。
強力なテレパシー能力を持つ青年チャールズが、金属を自在に操れるエリックとめぐり合う。
異なる信念を抱きながらも友情を深めたふたりは、世界各地のミュータントを仲間に迎え入れていくが…。
人気アクションシリーズ「X-MEN」の前章となる、動機や出会いのきっかけを描いています。
以前、このシリーズの1作目を見てまったくよく分からず、コミックを読んでいてすでにこの物語を知っているファンやマニア向けの映画なんだろうなーと思ってたんですが、これはその最初の部分が描かれているのでとても分かりやすかったです。
前半は復讐劇で、身内を殺した奴をいろんな仲間を集めてやっつけたいっていうシンプルな話が主軸でしたが、途中からアメリカ対ソ連による第三次世界大戦の阻止みたいな国家的な話になっていき、仲間でもめて…。
主人公1人の私的感情というミクロな出来事が、いろんな人々やエピソードを巻き込みながら「嵐」のようにマクロなお話に回転しながら膨らんでいく様は、人々を魅了する「良いシナリオ」のお手本のような作りになっていますね。
最後の最後まで展開がある。
また、違う価値観をもった者同士が、闘うべきか共存すべきかを悩みながらどう進んでいくのかという部分は、「アメリカ」そのものですし、そして「世界」をも描いてあって。
非常に見ごたえがあります。
映画の技法としては、超能力を使う人たちなので、CGで変身したり飛んだりいろんなものを動かしたりというのはあるんですが、時代設定が1960年代ということで、かなりその頃の映画を意識した作りになっています。
1960年代ジェームズボンドの映画から技術的にインスピレーションを得ていて、キャラクターも国際的な雰囲気を出しているそう。
ショーン・コネリーのような筋肉質で行動志向の主人公で、女性は露出度の高いボディコンスーツを着用。
余談ですが、昨日たまたまニューヨークの街を歩いている人々のライブカメラ映像をしばらく見ていたんですが、みーんなユニクロみたいな楽な服&靴、パンツスタイルで、女性はボディコン率、ハイヒール率、スカート率0%!
私は週に3回はスカートをはいているので、アメリカはもうここまで進化しているのかと逆にびっくりしたんですけどね。
画角の対比がカットつなぎで微妙に変化する箇所がたくさんあったり、ミラーを使ったシーン(映り込みなし)、時間経過を幼少期ズームイン→小道具(コイン)→ズームアウト(大人に成長)みたいな時間経過をうまく表現したカット割りなんかもありました。
また、お話の展開的にも善と悪、悪と善の移行が継ぎ目のない展開になっていて、何が正義で、何が悪なのか、鑑賞者に考えさせてくれるところも「余白」がある。
魅力やテーマがてんこ盛りで、世界の縮図のような映画でした。
おすすめいただきありがとうございます。
PS:良い人は青くて、悪い人はロン毛率が高いですね。
↓予告編