『グッド・タイム』(2017年 アメリカ)
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かなり衝撃的だけどじんわりも。
弟を救うために悪戦苦闘するクライムムービー
今朝の1日1映画は『グッド・タイム』(2017年 アメリカ)を鑑賞。
ニューヨークの最下層で生きるコニーと知的障害者の弟ニック。
2人で銀行強盗を働こうとする。
しかし、強盗は失敗に終わってニックが逮捕されてしまう。
やがてコニーは、投獄された弟が刑務所内で酷い目に遭わされた末に暴れて病院へと送られたのを知る。
コニーは彼を救おうと、病院に忍び込むが……。
『TENET テネット』(2020)のロバート・パティンソン主演で、ジョシュ、ベニー・サフディ兄弟監督による犯罪アクション映画です。
1つの犯罪が思わぬ方向に転がっていき、つじつまを合わせたり嘘をついたりしながら、警察から逃げていく。
負のスパイラルが次から次へと起こり、まさに綱渡りをしているような終始スリリングでドキドキの行動が展開され、非常に見ごたえがあります。
主人公は犯罪者であり悪人ですが、彼の行動に共感してしまうのは、根っからの悪人ではないこと。
「どんな手を使ってでも弟を助けたい」という、その強い思いが彼を突き動かしている。
ただの悪者だと共感できないんですが、実は愛情あふれる人物であることが、画面からほとばしるようにあふれていて応援してしまうんですよね。
ロバート・パティンソンの、セリフにならない奥底の心情を表す“目”の演技に注目です。
また知的障害者の弟ニック役をベニー・サフディ監督が自ら演じていて、ニックがどうなったのか、余韻が残るラストも非常に印象的です。
演出的にはクライム系の緊張感のある音楽、コニーのシーンにはドキドキ感が伝わる手持ちカメラ、ニックのシーンには三脚を据えた安定した画作りが。
また、照明が非常に印象的で、すごくカラフルなんです。
鮮やかな方じゃなくて、怪しい方の。
薬の密売の事務所はピンク、少女の家はオレンジと緑、その他ネオン的な照明がたくさん出てきて、世界観を作り上げています。
クライムドラマは多くあるけど、こんなに行き当たりばったりで先が読めない行動を取る主人公は初めてかも。
主人公と一緒に逃げているような、そんな感覚を覚える映画です。
↓予告編