カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『シャイニング』(1980年 イギリス・アメリカ)

By Warner Bros. Inc. - Fair use, Link

一見“事故物件”で起こるホラーですが…。
引き出し多すぎの名作。

今朝の1日1映画は「シャイニング」(1980年 イギリス・アメリカ)を鑑賞。

スティーブン・キング原作のホラー小説を、鬼才キューブリック監督が映画化した問題作。

雪に閉ざされたロッキー山上の大ホテルに、管理人としてやって来た小説家とその家族。

しかしそのホテルには、前任者が家族を殺し、自殺するという呪われた過去があった…。

2年ぐらい前に見ていて、その時は「こわーっ!!」と終始目が離せなかったです。

今回はその復習の意味で見てみました。

うん、やはり怖いです。

だけど、美しさが際立っている。

まず色彩。

以前の印象だと、雪の白+血の赤という印象でしたが、改めて見ると、衣装には色がたくさん使われていて、ホテルの内装もカラフル。

ホテルの美術はネイティブ・アメリカンの様式を引用してあり、アールデコ調の様式に70年代後半のインテリアが設置され、ウォーム系の配色がなされていて、美しいんですよね。

園子温監督のグロい描写のような血の表現も圧倒的ですが…。

次に「ステディカム」によるなめらかな動き。

凸凹道でもまったく手振れなく撮影できる、当時開発されたばかりのステディカムを導入していて、子供の三輪車を後ろから追う床上数センチからのショットや、階段や逃げ惑うシーンのショットなどに多用されています。

ホラー映画には人間の目線ではありえないようななめらかな視点の撮影が多くされていて、霊的な浮遊感が醸し出されてるんですよね。

またこの頃は、撮ってすぐビデオチェックできる技術が誕生したばかり。

2秒程度のシーンを2週間かけ、190以上のテイクをするという、超過酷な撮影をするこだわりのキューブリック監督。

キャストからしたら超ブラック…、いや、本当にしんどかったと想像します。

この映画、一見、呪いのホラー映画って感じではあるんですが、アメリカの歴史を暗喩してあるそうで。

セリフに「このホテルの場所は元ネイティブ・アメリカンの墓だった」とありますし、象徴的な写真の日付や、白人系アメリカ人がネイティブ・アメリカンに行ってきた悪業への報復とも。

原作に比べると動機があいまいで、どこからが霊の仕業かが結構あいまいな感じもあるんですが、たぶんキューブリック監督は、観た人が想像力で埋めるための「余白」として取っておいてくれた気がしています。

映画のテーマについて、「恐怖の物語ができることの1つは、私たちに無意識の原型を示すことです。私たちは、人間の暗い側面を見ることができます」と監督。

ジャックが幽霊を見るすべてのシーンに鏡があることや、シンメトリック(左右対称)に配置された人や家具などが、その「無意識の原型」の表現なのかもしれないですが、この映画にはいろーんな仕掛けがしてあります。

考え出すと頭が追い付かないんですが、多くの引き出しを楽しめる作品です。

↓予告編

 
 

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