『ビール・ストリートの恋人たち』（2018年 アメリカ）
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「ムーンライト」のアカデミー賞監督による
愛と信念のドラマ
今朝の１日１映画は「ビール・ストリートの恋人たち」（2018年 アメリカ）を鑑賞。
「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が、1970年代ニューヨークのハーレムに生きる若い2人の愛と信念を描いたドラマ。
製作総指揮にブラッド・ピット、原作は、米黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの小説。
妊娠中の黒人女性が、身に覚えのない罪で逮捕された婚約者の無実を晴らそうと奔走する姿を描いていあります。
ラブストーリーとして、素敵な作品ですね。
なんといってもその静かなムード、二人だけの甘い時間の流れ方、それを彩る70年代の音楽に、この二人を応援したくなる感じ。
家族の映画でもあり、息子や娘を思う親の気持ち、姑も息子を助けたいと奔走する母親も、ポン・ジュノ監督「母なる照明」のキム・ヘジャを彷彿とさせます。
だけどその背景にある、人種差別による幸せを阻む社会構造や人々の仕打ちが印象的な実際の黒人排除のモノクロ写真などで挟まれていて、考えさせられます。
作品のトーンや背景は違うけど、家族や愛する恋人たちが社会の理不尽な構造によって引き裂かれる様子は、何となく世界観が「この世界の片隅に」にも似ている気も。
静かで熱い、そんな作品です。
ラブストーリーということで多用されているのが「クローズアップ」。
彼女の、そして彼氏の、お互いを見つめあっているという設定で、カメラ目線のアップが各シーンで出てきます。
恋愛をしているときの２人の世界を演出するとともに、彼や彼女の表情の微妙な変化を読み取れ、鑑賞者はまるでその愛情に包まれたような気分に包まれ、同化できる。
「鑑賞者には、登場人物と直接つながってほしいのです」とバリー・ジェンキンス監督。
２人が強固な愛でつながっている様子がカメラワークや演出で表現されていて、なるほどなと思いました。
監督の「ムーンライト」もぜひ見てみたいと思います。
↓予告編
