『クラウド アトラス』(2012年 アメリカ)
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『マトリックス』の監督による
世界の過去・今・未来をつなぐ壮大なSF。
今朝の1日1映画は『クラウド アトラス』(2012年 アメリカ)を鑑賞。
『マトリックス』3部作のウォシャウスキー姉妹が、トム・ハンクス、ハル・ベリー主演で贈るSF超大作。
6つの時代と場所で6つの人生を生きる男を主人公に、500年にわたる6つのエピソードを描きます。
分からんことになるので各エピソードと主人公の整理を。
①1849年、米国の弁護士ユーイング(ジム・スタージェス)
②1931年、音楽を志す英国の青年フロビシャー(ベン・ウィショー)
③1973年、ジャーナリストのルイサ・レイ(ハル・ベリー)
④2012年、英国の編集者カヴェンディッシュ(ジム・ブロードベント)
⑤2144年、ネオソウルの給仕係の複製種ソンミ451(ペ・ドゥナ)
⑥2321年、文明の崩壊した地球のある島の住民ザックリー(トム・ハンクス)
それぞれの物語が展開するんですが、テーマは「すべてはつながっている」。
時を超えて、物語の登場人物の記憶や小道具が関わり合い、うねりながら進んでいく壮大な映画です。
しかも、1人が6エピソードで別人の役をやるという「1人6役」の離れ業。
特殊メイクで演じていて、え、この人が、この人も?! と、私は最後の種明かしまで気づかない人もいました。。。
複雑に交差しますが、時代が全く違うのと、登場人物に特徴があるので、整理しながらみると、意外に分かりやすかったです。
映画の展開は、ちゃんとハリウッド映画の構成になっていて、見せ場やアクションシーンも後半にたんまりあるので飽きない。
また伏線の回収もキチンとされて、見ていて安心感があります。
血が流れる残酷なシーンや、韓国の女優ペ・ドゥナさんのオールヌードシーンなど、R15+指定ではありますが、美術的に美しく、恋愛、アクション、推理、ブレードランナーのようなSFなどが盛り込まれ、1作品で6回美味しい。
「人に与え続ける者は、人を制することができる。人から奪う者は力を保持し続けることはできない」など哲学的な言葉も。
ソビエト連邦の作家、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの言葉が引用されています。
技術面で印象的なのは「クロスカット」。
各エピソードのカットのつなぎで関連のあるシーンをつなげてあります。
1973年のカットで「ドアをノック」したら、次の1849年のカットでは「ドアが開く」とか、2144年のカットで「綱渡りのようなところを歩く」と、次の1849年のカットでは「船の帆柱の上を歩く」など。
そうすることで全く別の時代&場所同士のカットがスムーズにつながれ、エピソードのつながりが感じられるような仕掛けがしてあります。
人間が築き上げてきた文明を人間が壊す。
人間が壊した文明を人間が取り戻す。
何度も同じことを繰り返すのは人間の宿命なのかも…と映画を見て感じています。
↓予告編