「マルタの鷹」(1941年 アメリカ)
By Link
何事にもぶれない精神力のカッコよさ。
今朝の1日1映画は「マルタの鷹」(1941年 アメリカ)を鑑賞。
サンフランシスコの私立探偵サム・スペード(ハンフリー・ボガート)。
ある女からサースビーという男に尾行されているので助けてほしいとの依頼を受ける。
だが、相棒のアーチャーは彼女の美しさに惹かれ、その依頼を肩代わりする。
その夜、アーチャーは、サースビーとともに死体で発見され…。
「マルタの鷹」と呼ばれる高価な彫像をめぐる争いに巻き込まれた私立探偵、サム・スペードの活躍を描いてあります。
ハードボイルドの代名詞となった作品。
「ハードボイルド」とは、元来、ゆで卵などが固くゆでられた状態のこと。
そこから転じて、感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情、精神的・肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表します。
この私立探偵サム・スペードも、相棒が殺されたのに全く悲しむことなくサクサクと事件の解決に行動していきます。
主人公のハードボイルドな姿を見て何がすごい思うのかというと、動揺や悲しみ、ネガティブな感情あるとは思うんですが、それをグッと心の中に秘め、表情や感情では表さずに、さらっとした粋なセリフで返すところ。
その姿は、ビジネスや人間関係のコミュニケーションにおいて非常に参考になるんです。
一般的に社会では、ネガティブな感情を表すことはマイナスに作用することが多く、いきさつを客観的に見て、冷静になれる力が重要。
主要登場人物ガットマンが、あるシーンでスペードに、
「人は興奮している時、何が得策なのかを忘れて、感情に溺れてしまう」と言うと、
「俺の目的は君たちを怒らせずに最も有利な立場に立つことさ」とスペード。
「面白い男だ」と返すガットマン。
冷静沈着に物事を見極め、交渉していく姿は、本当に憧れます。
ビジネスマンの切り口で見ると、ある意味無敵なスーパーヒーローなのかもしれませんね。
撮影技術面で言うと、昨日見た「地獄の黙示録」と似ていますが、カメラのレンズの設定としてディープフォーカス(すべての人物に焦点が合っている)を用いています。
そうすることにより、鑑賞者は誰が犯人なのか全キャストの表情の変化をくまなく読み取ることができ、楽しみの幅が広がります。
何事にもぶれない主人公の魅力と、犯人捜しのお楽しみが詰まった名作です。
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
↓アマゾンプライムビデオはこちら
字幕版
↓DVDはこちら