「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(2007年 アメリカ)

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「ダッチアングル」によって
不安と恐怖の世界へいざなわれるダーク・ミュージカル。
今朝の1日1映画は「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(2007年 アメリカ)を鑑賞。
19世紀のイギリス。
無実の罪で投獄され、その首謀者に妻も娘も奪われた男(ジョニー・デップ)が、名前も姿も変え、ロンドンのフリート街へ戻ってくる。
15年ぶりに理髪店を再開した彼は、理髪師スウィーニー・トッドとして腕を振るい始めるが、彼は目に狂気を宿らせながら、かつて自分を陥れた男への復しゅうに燃えていた…。
ホラーな雰囲気+ダークヒーローの怖くて悲しいお話。
ミュージカル仕立てになっていて、登場人物が歌う歌う歌う!
お話自体はものすごーくわかりやすくてシンプルな復讐劇。
そのお話を、歌、衣装や美術の配色、カメラアングルなどを駆使し、盛り盛りに盛ることで、美しく、非日常のおとぎ話的世界観を作り上げています。
ミュージカルの歌の歌詞が比喩的な表現が多く、ドラマティカル。
黒と血の赤を基調としたカラーグレーディングは「フランケンシュタイン」を参考にしたそうですが、衣装もゴシック調で、ロンドンのハイブランド、ヴィヴィアンウエストウッド風でパンキッシュな雰囲気もありかっこいいです。
冷静に考えると、主人公は非常に歪んだ精神の持ち主ではあるんですが、映画の世界に入り込むと、彼の行動はしょうがないよねというような同情をしてしまう感じも。
妻や娘の復讐のために立ち上がる人物なので、いくら悪い奴でも根はいい人っていうのが織り込まれ、主人公に共感できます。
この歪んだ世界に観客をいざなうために、技術的に行っているのが、「斜め構図」。
「ダッチアングル」とも言われるカメラをわずかに回転させて撮影するこの方法、見ている観客の脳は、正しい位置に戻そうとする作用が働くんですが、登場人物にとって正しい世界は、鑑賞者である我々とは違うのだということを示唆しています。
ティム・バートン監督はこういうファンタジーな世界観を得意とする監督。
ダッチアングルをよく用いるそうで、この映画ではアカデミー賞撮影賞を受賞しています。
このアングルのおかげで不穏な世界に私たちがスーッといざなわれていけるんでしょうね。
こういった不安や恐怖を描くテクニック、勉強になります。
この作品、舞台のミュージカルでも見てみたくなりました。
日本でも何度も舞台化されているようなんですが…再演しないかなー。
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
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