「戦場にかける橋」(1957年 アメリカ)
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戦争のおろかさとともに、
戦術論、組織論、リーダー論も学べます。
今朝の1日1映画は「戦場にかける橋」(1957年 アメリカ)を鑑賞。
第2次世界大戦下の1943年。
ビルマとタイの国境付近にある捕虜収容所。
捕虜となったイギリス人兵士と、彼らを利用して橋を造りたい日本軍人たちが対立。
なんとか折り合いをつけながら橋を着工するが、その一方で脱走兵らによる暗躍も進行し…。
第30回アカデミー賞の7部門を制覇した戦争大作です。
誰もが聞いたことがある口笛の軽快な曲(ソミ、ミファソ、ミ、ミ、ド~♪)は、この映画の捕虜たちの行進曲だったんですね。
戦争映画って暗くてしんどいイメージですが、この映画がそこまで暗い雰囲気がないのは、この曲のおかげかもしれません。
内容はタイトルそのまま橋を架ける話なんですが、前半と後半で見どころが。
前半は英国軍ニコルソン大佐(アレックス・ギネス)と日本軍斎藤大佐(早川雪洲)との心の駆け引き。
後半は脱走兵らによる別作戦。
派手なアクションはなく、割と淡々と進む会話劇ですが、だんだんすべてのエピソードがつながっていき、フィナーレでは超ハラハラドキドキします💦
ド派手なクライマックス、見終わってからの脱力感。
何のために戦争してるんだろう…という気持ちになる、先日観た「ダンケルク」みたいな反戦効果のある映画です。
日本兵が出てくるので、抗日的な感じで描かれているのかなと思ったんですが、そこまでではない。
死んだ日本兵が方見放さず身に着けていた家族の写真やお守りまでを映していて、ちゃんと人間賛歌としての描き方がしてあるなと思いました。
この映画の技術的な部分としては、静かなジャングルで、大きな音がした時にコウモリの大群が逃げ出して空を埋め尽くすという、音の効果的な描き方や、昼だけど夜のようにするためにフィルターをかます、周辺減光やレンズの歪み、画角が斜め、インサートっぽく見せといてそのまま別のキャストがフレームインして演じるというカット繋ぎ(名称何ていうんでしょうか)など「魅せる絵」が多い。
脚本としても絶妙で。
橋の工事の期日まで日にちがなく、完成できなかったら自殺するしかないという焦りから人手として捕虜の将校までをもを使いたいという日本軍斎藤大佐に、ニコルソン大佐が返す場面。
戦勝国としてのプライドを保ちたい興奮気味の斎藤大佐、捕虜の中からリーダーシップの取れる優秀な技師を指揮官として採用するべきだという冷静なニコルソン大佐。
こういう時、人をどう配置したらいいのか、会社経営などのリーダー論ともいうべき姿が描かれていて、組織運営の観点からも勉強になるんですよね。
決して派手ではない映画ですが、ラストまで引き付けてやまない脚本力に脱帽です。
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