「トゥ・ザ・ワンダー」(2012年 アメリカ)
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自然光を使い、脚本なし。
美しい自然と織りなす愛の映像詩
今朝の1日1映画は「トゥ・ザ・ワンダー」(2012年 アメリカ)を鑑賞。
エンジニアのニール(ベン・アフレック)は旅行で訪れたフランスのモン・サン・ミッシェルで、シングルマザーのマリーナ(オルガ・キュリレンコ)と出会い付き合うことになる。
アメリカで一緒に暮らし始めた二人だったが、やがて心が離れていくように。
そんなある日、ニールは学生時代の友人ジェーン(レイチェル・マクアダムス)と久しぶりに会い、やがて彼女に心の安息を感じるようになり……。
フランスとアメリカを舞台に、男女の愛の移ろいを美しい映像とともに描きだしていくドラマです。
哲学者でもあるというテレンス・マリック監督の作品を初めて見ましたが、なるほどー、映像詩ですね。
自然光を駆使し、ちゃんとしたシナリオはないというこの映画。
電車の中で、海辺で、スーパーで、どこでもお構いなしに戯れるカップル。
太陽の光の下で家族のように楽しくふざける男女と子供。
カットがポンポン変わり、大自然、室内など登場人物の日常が映し出されます。
そこに静かなモノローグと、映像を邪魔しない静かなクラシック音楽。
映像が断片的につないであり、正直、ストーリーは分かりにくいです。
だけど「永遠の愛」について語るモノローグを主軸に、自分なりに頭の中で想像力を駆使して編集していくと、人生の深い喜怒哀楽を描いていることが分かります。
この監督、映像が美しいというのが特徴としてあるのですが、中でも朝日や夕日の「ゴールデンアワー」と呼ばれる時間帯のシーンがたくさん。
それらが神々しいのは言うまでもないんですが、一日が始まり、一日が終えるその瞬間というのは日々が移ろっていく儚い時間でもあり、登場人物の不安定な心を象徴しているかのように演出してあります。
これらのシーンを撮影するのは、朝日が昇るのも夕日が沈むのも一瞬なので、ものすごく準備が必要なんですが、綺麗に撮れたときには嬉しさ倍増なんですよね。
キリスト教的な解釈もできる難解な作品なので、好き嫌い別れるところではありますが、人生が美しい自然とともに移り変わっていく様子を堪能できる1本です。
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