「アンタッチャブル」(1987年 アメリカ)
Fair use, Link
ケビン・コスナーを一躍スターにしたギャング映画の名作。
あらゆる撮影技術が勉強になります。
今朝の1日1映画は「アンタッチャブル」(1987年 アメリカ)を鑑賞。
名作TVシリーズ「アンタッチャブル」をパラマウント映画が創立75周年記念として映画化した大作。
財務省の捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)が3人の仲間と共にアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)摘発に乗り出す…。
ケビン・コスナーが一躍大スターになった映画としても有名で、ショーン・コネリーがアカデミー賞助演男優賞を受賞。
初鑑賞です。
よくテレビのバラエティー番組などで耳にする曲って、この映画のテーマ曲だったんですね。
1930年代、禁酒法の時代の警察とマフィアの映画ということで、ゴッドファーザーのようなもっと重いタッチの映画かと思ってたんですが、意外にも軽い。
たぶん音楽のせいかと。
ファンファーレが多様された冒険系の映画やゲームなんかでよく使われているような音楽や、シンセサイザーっぽい音も使われていて、ちょっとポップな印象です。
お話としては分かりやすくて、西部劇のようないで立ちのシーン、戦艦ポチョムキンの「オデッセの階段」のようなシーンなど魅せる場面もたくさん。
ロー&ハイアングルの多用によるダイナミックな人物の捉え方、クライマックスへ向けての下から上へのポジショニングの変化、雨の中のファイティング、小道具などの伏線もしっかり回収されて見ごたえがあります。
撮影の特徴は「スプリットジオプター」をさまざまな場面で使っていること。
これは、画面の中の手前と奥にそれぞれ人物がいる場合、どちらの人物にも焦点を合わせて撮る技術。
いわゆる遠近両用メガネのような、半分がクローズアップレンズで、半分が素通しになったフィルターをかますことによってできます。
ベテラン警部(ショーン・コネリー)がエリオットに、「ナイフを出されたら、銃を出す。病院送りにされたら、人質を取る」という少々荒っぽい「シカゴ流のやり方」でカポネを捕まえる方法を説明するシーンで、奥の警部と手前のエリオットにどちらも焦点を合わせています。
少々汚い手を使ってでも逮捕しようと説得する、グレーの領域への誘いを行うシーンにこの技術を使うことによって、警部だけでなく、エリオットの迷いの表情もより明確に伝えることができる。
そういうキャストの心情を表す細かい演出を、監督のブライアン・デ・パルマはよく用いているようで、一見見逃しがちなシーンでも、それらが実は私たちの心に効果的に響いているんだということを改めて知ることができます。
面白い映画の裏側には、それ相応の演出・技術があるんですね。
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
↓アマゾンプライムビデオはこちら
字幕版
Amazon.co.jp: アンタッチャブル (字幕版)を観る | Prime Video
↓ブルーレイはこちら