「パンチドランク・ラブ」(2002年 アメリカ)
By The poster art can or could be obtained from the distributor., Fair use, Link
クセのある世界観に“強烈に一目ぼれ”します。
今朝の1日1映画は「パンチドランク・ラブ」(2002年 アメリカ)を鑑賞。
食品会社のマイレージ・キャンペーンの盲点を突き、プリンを大量に買い込むバリー。
7人の姉に抑圧されっぱなしの真面目だがサエない男が、運命の恋に出会っての大騒動を引き起こし…。
この映画、クセが強いです。
だけど、そのクセがハマる人にはグッとくるんじゃないかなー。
癖その1、主人公はキレれやすく、嫌なことがあると何でも破壊します。
何もないのに泣きたくなるなど、精神疾患があることを自分でも分かっている。
そんな彼にもほほ笑む女神がいるんですよね。
癖その2、カメラワーク、ライティング、音楽の妙。
映画冒頭の、だだっ広いがらんとした部屋の隅で電話をしている主人公。
映っているのは主人公の姿より背景の方が多く、それも主人公をフレームの中心からずらしてあるというちょっとした違和感。
音楽は曲とは言えないポコポコしたドラム音やピコピコした電子音。
ライティングは、白飛びするくらいの強烈な自然光と真っ暗で何も映らないくらいの闇を1シーンに入れて対比させたり、シルエットで見せたり。
この違和感がこの映画のキモで、見ていくうち、それらが主人公の心情を多角的に表現しているということに気づくと、この映画の世界観にハマっていけるんですよね。
ジングル的に使われているマルチカラーも含めて、なんとも言えない浮遊感が漂います。
『パンチドランク・ラブ』とは『強烈な一目惚れ』という意味とか。
主人公の恋愛に例えてある部分もあるんですが、暗喩として、観客にこの映画の世界観を一目ぼれさせるっていう意味もあるんじゃないかなと思います。
私はすごく好きな世界観です。
個性的なこだわりが詰まったポール・トーマス・アンダーソン監督の映画、チェックしてみます!
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
↓ブルーレイはこちら