「ノートルダムの鐘」(1996年 アメリカ)
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圧倒的な要素が盛られた
大人向けミュージカルアニメーション。
今朝の1日1映画は「ノートルダムの鐘」(1996年 アメリカ)を鑑賞。
原作ヴィクトル・ユーゴーによる、15世紀末のパリを舞台に、醜い鐘突き男カジモドと美しいジプシーの踊り子エスメラルダの優しい心を描いた、ディズニー得意のミュージカル・アニメ。
醜いカジモドは彼を引き取った最高裁判事のフロローによって、ノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ込められて暮らしていた。
だがある日、彼は下界での祭りに我慢できなくなり、抜け出し、美しいエスメラルダに出会った。彼は彼女によって舞台に上げられ、道化の王に選ばれてしまう……
ディズニー映画、4月からここまでいろいろ見てきましたが、これは圧倒されますね。
話の内容は分かりやすく、心優しい青年がアウトサイダー的存在として虐げられている中、自らの手でその殻を打ち破っていきます。
そういう存在の主人公が、体制側を打ちのめすというのは、いつの時代にも爽快な気分にさせてくれますよね。
描写としてはひどいものもあるので、ある程度大人向けだと思います。
ただ、そういう差別的表現を反面教師として見ると、非常に素晴らしい要素がたくさん。
まず、カメラワーク。
ノートルダム聖堂のてっぺんから、下へ落ちたり、ロープで降りたりの高低表現がすざましくスピーディーでジェットコースター級に変化し、公共恐怖症としては足がすくむくらいの感覚があります。
カット割りも早く、ズームも多様。
超ロングショットからの人物がだんだんこちらに向かって歩いてくる場面や、大聖堂の最上階から1階のチャペルを映す引きのショットもアニメではあまりみたことがなく印象的です。
またキャスト同士のクロストークがあったり、同じシーンを短いフェードアウトとフェードインで区切り、時間的に区切りをつけていたり、エスメラルダが髪を顔から払うのに、手を使わずに首だけではらったりなど、もう超細かい演出がなされている。
それらが集合体となったときに映画の質がより高まるという設計がきちんとできています。
それから圧倒的な歌。
全編ミュージカルで、作画で強調された世界観に歌や合唱がプラスされるので、主人公はより心清らかに、悪者はとことん悪くという、さらに強力な印象付けができる。
吹き替え版で見たんですが、醜い鐘突き男カジモドの声優さんの声が爽やか。
調べてみると、元劇団指揮の石丸幹二さんで、日本語版制作の演出/台本 は浅利慶太さん。
その他の声優も劇団四季がやっている。
アニメなのに、ミュージカルを見ている感覚になるのはそういうことなんでしょうね。
キャラクターや背景の配色をオータム(ビビッドなイエロー系の色に黒が混ざった色味)で統一。
絵も、内容も、歌も、色も、大人が見て満足できる仕上がりで、満足度高いです。
↓予告編
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吹替版
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