「チャイナ・シンドローム」(1979年 アメリカ)
原発事故をめぐる対立を描いたサスペンス映画
今朝の1日1映画は「チャイナ・シンドローム」(1979年 アメリカ)を鑑賞。
原発を取材中のTVキャスターとそのクルーは偶然、事故の現場に立ち会うが、上からの圧力によってそのニュースはNGとなる。
そして調査の後、運転を再開した発電所ではひとりの技師が原発の欠陥を発見していた。
その事を知ったTVキャスターは彼の協力を得て、この事件を世間に公表しようとするのだが……。
原発事故をめぐって、真実を伝えようとする女性リポーター(ジェーン・フォンダ)とカメラマン(マイケル・ダグラス)、命を掛けて事故を防ごうとする原発管理者(ジャック・レモン)、利益優先の経営者を描いたサスペンス映画です。
チャイナ・シンドロームとは、「アメリカの原発で事故が発生したら、核が地球を溶かして反対側の中国まで到達するだろう」というアメリカン・ジョークが元ネタ。
この映画の公開から12日後にスリーマイル島原子力発電所事故が発生。大きな話題となったようです。
約40年前の映画ですが、それからチェルノブイリ、福島をはじめ映画の中の出来事が現実になっていき、今見ると逆に恐怖感がリアルに伝わってきます。
映画の作りとしては、重いテーマではありますが、見せ場などがちゃんとあって、娯楽的要素も高く、ハラハラドキドキさせられます。
印象的なのは音楽の使い方。
挿入曲として使われている音楽は1曲のみ。オープニングのタイトルバックでスティーヴン・ビショップの「Somewhere In Between」という曲が流れます。これがカッコイイ!
あとはバーのシーンでBGMで流れている曲のみ。他は音楽が全くありません。
それだけに、緊張感があって、ドキュメンタリーを見ているような感覚に。
変にドラマティックに感情を盛り上げるのではなく「間(ま)」を取って、実際に起こりうる問題として、映画を見終わったあとに観客に考えさせるような演出になっています。
音楽がない分、役者の緊張感が伝わってくるんですよね(カンヌ国際映画祭でジャック・レモンは男優賞を獲得)。
音楽に頼らない映画のあり方を学んだような気がします。
こういうタブーに切り込んだ作品は日本では撮れないだろうな…。
予告編↓
↓U-NEXTで見ました。
↓アマゾンプライムビデオにもあります。
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